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疎漏
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そろう
ふりがな文庫
“
疎漏
(
そろう
)” の例文
だが、人間の生命にかかわることだから
疎漏
(
そろう
)
のないようにやりたまえよ。何事も
辛抱
(
しんぼう
)
が
肝腎
(
かんじん
)
だ。根気よく目的にむかって進みたまえ
ジェンナー伝
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
私の
疎漏
(
そろう
)
なところを補い、
誤謬
(
ごびゅう
)
のあるところを正して下さったならば、批評学が学問として未来に成立せんとは限らんだろうと思います。
文芸の哲学的基礎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
疎漏
(
そろう
)
は五山も同じ事なるべし、矢張
馴染
(
なじみ
)
の天民へ氣を附て謝物をするがよささうな物と申てわらひ候由、武清はなしに御座候。
寿阿弥の手紙
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
大胆な、眩惑的な、そうして飽く迄も天才的なその事業計画の中心に、
唯
(
ただ
)
一点、致命的な
疎漏
(
そろう
)
がある事を考え得なかったのだ。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
多少の幼稚さをまじえ、
疎漏
(
そろう
)
を加え、所々間抜けらしく見せて、しかも彼には僕の手になる手紙だ、とわかるのだ。
二十歳のエチュード
(新字新仮名)
/
原口統三
(著)
▼ もっと見る
どんな
些細
(
ささい
)
な
疎漏
(
そろう
)
もあってはならない。彼は頭を火の玉の様にして、暗の中のおぼろな物を眺め廻しました。
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「憎いやつです。都の中納言家から、この氏真へと、遥けく贈り下された
名禽
(
めいきん
)
を、
疎漏
(
そろう
)
にも、餌をやるとて、鳥籠から取り逃がしてしもうたのではございませぬか」
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
雉
(
きじ
)
が祭礼の庭で鳴いたり竜が野で戦ったりするような奇怪千万で、ありもしない怪奇談であるから、みずからかえりみてさえ、根拠のない、
疎漏
(
そろう
)
の多い、つたないものだとおもう。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
『
神にして狂う
(
リオ・フォルス・デ・デイオス
)
』河攻撃の計画の
疎漏
(
そろう
)
を、僕が指摘したので一年間延びた。
人外魔境:05 水棲人
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
しかし奉公中に悪いうわさが無かったと云うのは、徳次が探索の
疎漏
(
そろう
)
で、早く女房に死に別れたせいもありましょうが、年に似合わない道楽者で、方々の屋敷をしくじったのも皆それがためです。
半七捕物帳:49 大阪屋花鳥
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
これは
疎漏
(
そろう
)
といわなければならない。
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「まよわないでやってみたまえ、
辛抱
(
しんぼう
)
して
疎漏
(
そろう
)
のないように」と、例の
激励
(
げきれい
)
の言葉をくりかえしました。
ジェンナー伝
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
老婆の家から程遠からぬ——町に於て
拾得
(
しゅうとく
)
されたが、その届主が、嫌疑者の斎藤の親友である蕗屋清一郎という学生だったことを、係りの者の
疎漏
(
そろう
)
から今日まで気附かずにいた。
心理試験
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
と、
卯木
(
うつぎ
)
が、家来どもの
疎漏
(
そろう
)
を悔やむと、良人の服部治郎左衛門元成も
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
疎
常用漢字
中学
部首:⽦
12画
漏
常用漢字
中学
部首:⽔
14画
“疎”で始まる語句
疎
疎林
疎々
疎遠
疎開
疎忽
疎髯
疎隔
疎懶
疎外