“そろう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
疎漏46.4%
粗漏42.9%
梳櫳3.6%
麁陋3.6%
麤漏3.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私の疎漏そろうなところを補い、誤謬ごびゅうのあるところを正して下さったならば、批評学が学問として未来に成立せんとは限らんだろうと思います。
文芸の哲学的基礎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
彼は死の断定が如何に困難なものであるかを、様々の実例を挙げて説明し、彼の死亡診断が決して粗漏そろうでなかったことを弁明しました。
パノラマ島綺譚 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
予が先輩にして且知人たる成島柳北なるしまりうほく先生より、彼が西京祇園さいきやうぎをんの妓楼に、雛妓すうぎいまだ春をいだかざるものを梳櫳そろうして、以て死に到らしめしを仄聞そくぶんせしも、実に此間の事に属す。
開化の殺人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
時計師のみがことごとく時計の構造を知る、神のみがことごとく汝のたいを知るなり、ことにこの診断麁陋そろうの時代にあたって我らは容易に失望すべきにあらざるなり
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
畫人武清上州桐生きりふ遊候時あそびそろとき、桐生の何某なにがし申候には、數年玉池ぎよくちへ詩を直してもらひにつかはさふらども兎角とかく斧正ふせい麤漏そろうにて、時として同字などある時もありてこまり申候、これよりは五山へ願可申候間ねがひまうすべくそろあひだ
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)