男振をとこぶ)” の例文
それから二時間ばかり經ツて、周三はひげり、頭髪をき、薄色のサツクコートで、彼としてはみがき上げた男振をとこぶりとなツて、そゝくさいかめしい勝見家の門を出て行ツた。無論お房の家へ出掛けたので。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
徐大盡じよだいじんかつり、とこに、これも自慢じまんの、贋物にせものらしい白鞘しらさやを、うんといて、ふら/\と突懸つきかゝる、と、畫師ゑしまたひるがへして、なかへ、ふいとはひり、やなぎしたくゞもんから、男振をとこぶりのかほして
画の裡 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)