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甲比丹
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かぴたん
ふりがな文庫
“
甲比丹
(
かぴたん
)” の例文
真ッ二つ! 孫兵衛の息と手が、さっと放たれようとした
刹那
(
せつな
)
、
甲比丹
(
かぴたん
)
の三次やほかの者たちと、こっちの縁側にいた見返りお
綱
(
つな
)
が
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
唐皮
(
からかは
)
の花の
間
(
あひだ
)
に止まれる
鸚鵡
(
あうむ
)
、(横あひより
甲比丹
(
かぴたん
)
に)
譃
(
うそ
)
ですよ。甲比丹! あの人のは頭痛ではないのです。
長崎小品
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
さすれば
鴻山
(
こうざん
)
も、その間に
甲比丹
(
かぴたん
)
の三次や
荷抜屋
(
ぬきや
)
の手下どもをさとして、阿波へ渡る秘密船を仕立てさせ、万事の手筈を
調
(
ととの
)
えておくであろう
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
古伊万里
(
こいまり
)
の茶碗に
描
(
ゑが
)
かれたる
甲比丹
(
かぴたん
)
、(蘭人を顧みつつ)どうしたね? 顔の色も大へん悪いやうだが——
長崎小品
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
と、宅助がつかつか
門際
(
もんぎわ
)
へ寄ってゆくと、前後してきた
甲比丹
(
かぴたん
)
の三次が、もうそこにいた組子の者に、腰をかがめて何かしゃべっている。すると
鳴門秘帖:03 木曾の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
わたしはもう
今日
(
けふ
)
限り、あなたとも御つきあひは
御免
(
ごめん
)
蒙
(
かうむ
)
りませう。
古伊万里
(
こいまり
)
の
甲比丹
(
かぴたん
)
、
小柄
(
こづか
)
の
伴天連
(
ばてれん
)
、
亀山焼
(
かめやまやき
)
の
南蛮女
(
なんばんをんな
)
、——いえ、いえ、それどころではありません。
長崎小品
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
啓之助が使用している机の側から、
煙草盆
(
たばこぼん
)
を
煙管
(
きせる
)
の首で引ッかけて、その縁側に腰をすえこんでいた
甲比丹
(
かぴたん
)
の三次。顔をみると
狎
(
な
)
れッこい態度で
鳴門秘帖:03 木曾の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
見ると、庭には点々と血汐の
痕
(
あと
)
、戸障子は八方へ無残に倒れ、
甲比丹
(
かぴたん
)
の三次と荷抜屋の手下二人は、常木鴻山が
後
(
うし
)
ろ
手
(
で
)
に
縛
(
くく
)
し上げてしまった様子。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ええ、啓之助様、その
甲比丹
(
かぴたん
)
の三次はここにおります。どうもまことにお久しぶりで」
鳴門秘帖:03 木曾の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
昼中
(
ひるなか
)
にお月様でも見つけたような声を出したので、ひょいとそのほうを見ると、なるほど、去年の春から夏の初め頃は、
甲比丹
(
かぴたん
)
の三次とともに、この
界隈
(
かいわい
)
によく姿を見せた孫兵衛が
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“甲比丹(カピタン)”の解説
カピタン(甲比丹、甲必丹、加比旦)は、江戸時代にオランダ東インド会社が日本に置いた商館の最高責任者「商館長」のこと。ポルトガル語のは、英語のに相当する、即ち「船長・隊長」の意である大航海時代には船団を率いたカピタンが商館(砦)を開設してそのまま長となることもあった。。南蛮貿易時代最初の交易国がポルトガルだったため西洋の商館長をと呼んでいたが、オランダが取って代わってからもオランダ語の商館長を意味するにはならなかった。
(出典:Wikipedia)
甲
常用漢字
中学
部首:⽥
5画
比
常用漢字
小5
部首:⽐
4画
丹
常用漢字
中学
部首:⼂
4画
“甲”で始まる語句
甲斐
甲
甲板
甲冑
甲高
甲羅
甲虫
甲走
甲斐性
甲斐甲斐