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物見
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ものみ
ふりがな文庫
“
物見
(
ものみ
)” の例文
「待ちたまえちょっと時計を見るから。四時八分だ。まだ暮れやしない。君ここに待っていたまえ。僕がちょっと
物見
(
ものみ
)
をしてくるから」
二百十日
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
物見
(
ものみ
)
高くも東洋人の周囲に
蝟集
(
いしゅう
)
し、無人島探険にゆくつもりであるか、とか、支那の戦争はまだやみませぬか、とか、口々にたずね始めた。
ノンシャラン道中記:05 タラノ音頭 ――コルシカ島の巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
戦場でのこの直感は、ほとんど本能的にすぐ頭を突きぬくものだった——敵の
物見
(
ものみ
)
が信長の
居陣
(
きょじん
)
の背後を探りに来たものと、彼はすぐ考えたのである。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
籠城方がもう本丸まで追い詰められた際であるから、恐らく
物見
(
ものみ
)
の兵共も油断して寝ていたのであろう。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
天明年代に至るや
北尾政美
(
きたおまさよし
)
が『
江戸名所鑑
(
えどめいしょかがみ
)
』(三巻)鳥居清長の『
物見
(
ものみ
)
ヶ
岡
(
おか
)
』(二巻)喜多川歌麿の『
江戸爵
(
えどすずめ
)
』(三巻)北尾重政の『
吾妻袂
(
あずまからげ
)
』(三巻)の
類
(
るい
)
続々として出板せられたり。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
「わたくしは
物見
(
ものみ
)
をつとめましょう。」
桃太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
河岸
(
かし
)
になほ
物見
(
ものみ
)
る子らはうづくまり
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
咲耶子の報告がおわると、
物見
(
ものみ
)
の松のしたでは、
伊那丸
(
いなまる
)
と
軍師
(
ぐんし
)
を中心にして、悲壮な軍議がひらかれた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
物見
(
ものみ
)
して来いッ。——何やら火急らしい駒が、お城のほうへ駈けて行った。時刻も時刻」
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
もし梁山泊の
物見
(
ものみ
)
が、これをほんとの討伐軍と見て、先に
山寨
(
やま
)
へ知らせようものなら、それこそ、えらい間違いの
因
(
もと
)
になる——。わしと燕順とは、ひと足さきに行って、前
触
(
ぶ
)
れを
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
見るまに、
物見
(
ものみ
)
の松の高きところによじのぼって、
梢
(
こずえ
)
にすがりながら、片手をかざし
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いくら
狡獪
(
こうかい
)
な
家康
(
いえやす
)
でも、
策
(
さく
)
をもって
乗
(
の
)
せれば、乗らぬものでもございますまい、じつはその用意のために、
早足
(
はやあし
)
の
燕作
(
えんさく
)
を
物見
(
ものみ
)
にやッてありますゆえ、やがてそろそろここへ帰るじぶん……
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
放ち
物見
(
ものみ
)
、大物見を先に、四段に備え立て、中軍をまん中に、鉄砲隊、弓隊、槍隊、武者隊とつづき、
兵糧
(
ひょうろう
)
、軍需の物を積んでゆく荷駄隊は、最後方から汗をふりしぼってそれに
従
(
つ
)
いて行った。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あくる日になると、
物見
(
ものみ
)
の報が入った。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『ははあ、
物見
(
ものみ
)
か』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
見
常用漢字
小1
部首:⾒
7画
“物見”で始まる語句
物見遊山
物見櫓
物見高
物見車
物見台
物見松
物見隊
物見頭
物見行楽