“ものみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
斥候40.0%
物見36.7%
望楼6.7%
細作6.7%
候兵3.3%
偵察3.3%
壮観3.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「ところが、斥候ものみの者のしらせによると、にわかに四、五百のかくし部隊があらわれて、亀井武蔵守かめいむさしのかみをはじめ、徳川勢をさんざんになやめているとのことでござる」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
物見ものみ高くも東洋人の周囲に蝟集いしゅうし、無人島探険にゆくつもりであるか、とか、支那の戦争はまだやみませぬか、とか、口々にたずね始めた。
城の他の部分で攻防戦のたけなわなる模様。下手は断崖につづける望楼ものみの端、一個処、わずかに石を伝わって昇降する口がある。上手の扉から金の国(支那)の商人が従者を伴れて、這うように出て来る。
折からまた、遠くへ行った細作ものみが帰ってきて、蜀外の異変をもたらした。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私は崖に立つて、候兵ものみのやうにぼんやりしてゐた
測量船 (新字旧仮名) / 三好達治(著)
偵察ものみの者も、黄忠のことばを裏書きしている。果断をとって、ついに涪城の軍は、百日の籠居を破って出た。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
地形の波面なみづら、木立、田舎家いなかやなどをたくみにたてにとりて、四方よもより攻め寄するさま、めずらしき壮観ものみなりければ、近郷の民ここにかしこに群れをなし
文づかい (新字新仮名) / 森鴎外(著)