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ものみ
ふりがな文庫
“
斥候
(
ものみ
)” の例文
荷田
(
かだ
)
重吉がいう。村本と荷田は連れ立って、その煙の方へ行ってみます。あとの九人は、木の根と
岩角
(
いわかど
)
とに腰をかけて、その
斥候
(
ものみ
)
を待っています。
大菩薩峠:05 龍神の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「ところが、
斥候
(
ものみ
)
の者のしらせによると、にわかに四、五百のかくし部隊があらわれて、
亀井武蔵守
(
かめいむさしのかみ
)
をはじめ、徳川勢をさんざんに
悩
(
なや
)
めているとのことでござる」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
来たらば知らしておくれよ、と不断、お茶っぴいを
斥候
(
ものみ
)
同然だったものですから、聞くか聞かないに、何とも、
不状
(
ぶざま
)
を演じました。……いま、そのわけを話しますが。……
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
山車
(
だし
)
の出る日には、両先生は前夜より泊り込んでゐて、
斥候
(
ものみ
)
を派して
報
(
しらせ
)
を待つた。距離が尚遠く、大鼓の響が未だ聞えぬに、斥候は帰つて、只今山車が出ましたと報ずる。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
白人は全部馬に乗り土人軍でも酋長だけはボルネオ馬に
騎
(
また
)
がった。暁を待って軍を進め陽のあるうちに野営した。
斥候
(
ものみ
)
を放し
不眠番
(
ねずのばん
)
を設けて不意の襲撃に備えるのであった。
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
年
(
とし
)
は
老
(
と
)
るべきもの
流石
(
さすが
)
古兵
(
ふるつわもの
)
の
斥候
(
ものみ
)
虚実の見所誤らず
畢竟
(
ひっきょう
)
手に
仕業
(
しわざ
)
なければこそ余計な心が働きて
苦
(
くるし
)
む者なるべしと考えつき、
或日
(
あるひ
)
珠運に向って、此日本一果報男め、
聞玉
(
ききたま
)
え我昨夜の夢に
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
水銀柱の
斥候
(
ものみ
)
を放つて
智恵子抄
(新字旧仮名)
/
高村光太郎
(著)
彼等の寝息の程度を
窺
(
うかが
)
って、その間にここを摺り抜けてしまおうとの
斥候
(
ものみ
)
の目的で兵馬は出かけたものらしい。
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「おそいなあ。あのぐずの
斥候
(
ものみ
)
を待っているより、またじぶんでそこいらの木へ登ってみようかしら」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
早速単身で
斥候
(
ものみ
)
に出かけてみたが、いや、事態は全く重大で、うっかり近づけない、そこで、ともかく近寄れる距離に近づいて、探れるだけの事情を探訪して
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「ふうむ……じゃね、これからおいらのために、ちょっとそこまで
斥候
(
ものみ
)
にいってくれないか」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
月明を利してその下の
渓道
(
たにみち
)
まで寄せてきた王平、馬忠の先手は、途中で捕えた蛮兵の
斥候
(
ものみ
)
を道案内として、間道を伝い、道なき道を
攀
(
よ
)
じ、夜半、不意に敵の幕舎を東西から襲った。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
昼のうちより杉山邸へ放った
斥候
(
ものみ
)
が、いま上々首尾の報告を
齎
(
もたら
)
したわけです。
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
涪城から玄徳が放しておいた
斥候
(
ものみ
)
の一隊は、倉皇と立ち帰ってきてこう
報
(
し
)
らせた。
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
自
(
みずか
)
ら
薦
(
すす
)
めて
斥候
(
ものみ
)
の役を承ろうとする者がある。
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
河岸の
斥候
(
ものみ
)
が何事か報らせて来たらしく、将士が陣を出て一方を眺めていた。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
斥候
(
ものみ
)
から帰って来た武士は近藤の方へ向いて
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「御座んなれ。この時」と、ばかり、張任は各将軍と手筈をさだめ、自身は何か思うところあるか、屈強な射手三千人を選りすぐって、山道の嶮岨に伏せ、
斥候
(
ものみ
)
の第二報を待ちかまえていた。
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“斥候”の解説
斥候(せっこう、en: point)とは、軍事において地上戦闘の際に、敵情・地形などを偵察あるいは秘密裏に監視するために本隊から先んじて派遣される、単独兵または小人数の部隊のことである。また、その偵察行為そのものを指すこともある。
(出典:Wikipedia)
斥
常用漢字
中学
部首:⽄
5画
候
常用漢字
小4
部首:⼈
10画
“斥候”で始まる語句
斥候隊
斥候櫓
斥候長
斥候頭