望楼ものみ)” の例文
離亭はなれ、厩舎、望楼ものみ台、そういう建物が厳しく、あるいは高くあるいは低く、木立の上に聳え木立の中に沈み、月光に光ったり陰影かげに暗まされたりして、宏大な地域を占領している。
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
城の他の部分で攻防戦のたけなわなる模様。下手は断崖につづける望楼ものみの端、一個処、わずかに石を伝わって昇降する口がある。上手の扉から金の国(支那)の商人が従者を伴れて、這うように出て来る。