熱帯ねったい)” の例文
旧字:熱帶
航路は三日以後は熱帯ねったいに入り、それからのちはほとんど赤道にそうようにして、西へ西へと船脚をはやめていたのだ。
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
銀色のつばさを閃かして飛魚の飛ぶ熱帯ねったいの海のサッファイヤ、ある時は其面に紅葉をうかべ或時は底深く日影金糸をるゝ山川の明るいふちった様な緑玉エメラルド
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
また熱帯ねったい植物しょくぶつが、反対はんたいさむくにへくればれてしまうように、ぜいたくにれたひとは、すこしの貧乏びんぼうにもつことができないのとおなじなのです……。
さまざまな生い立ち (新字新仮名) / 小川未明(著)
西にしくにからも、みなみくにからも、また、うみのあちらの熱帯ねったいしまからもきた。種子たねや、なえふねせて、ひとってきたのだ。」と、みつばちはこたえました。
公園の花と毒蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)
小笠原おがさわらといえば、ずっとみなみのやしのしげ熱帯ねったいであるとおもいました。
ある夜の姉と弟 (新字新仮名) / 小川未明(著)