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無関心
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むかんしん
さかずきには、
家の
前をかごが
通ったことも、いま
人力車が
通り、
自動車が
通ることも、たいした
相違がないのだから、
無関心でした。
そして、このすさまじいあらしにも、
猛り
狂う
炎にも、
無関心でいられる
星の
世界が、あまりにも、ふしぎにみえたのです。
下宿屋の
女中は、
花などには
無関心でした。すこしの
考えもなくそうじなどをしましたから、
赤いアネモネの
花は、
頭からほこりを
浴びさせられました。
友だちは、らんについて、
無関心のもののごとくただ
故郷の
山の
美しさを
讃美して、きかせたのであります。
なぜなら、
世間は、
戦争にたいして
無関心なのか、それとも
軍人が
戦争にいって
負傷をするのをあたりまえとでも
思っているのか、どちらかのようにしか
考えられなかったからでした。
偶然のことから、
私は、らんに
興味をもつようになりました。いままでは
無関心にこれを
見ていて、ただ
普通の
草の一
種としか
思われなかったのが、
特別、
高貴なもののように
思いはじめたのです。