混々こん/\)” の例文
未明みめい食事をおはりて出立し又水流すいりうさかのぼる、無数の瀑布を経過けいくわして五千五百呎のたかきに至れば水流まつたき、源泉は岩罅かんこより混々こん/\として出できた
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
其百万の一をも成すことあたはざる耻かしさを、月よ、なんじ如何いか甲斐かひなしと照らすらん、森々しん/\として死せるが如き無人の深夜、彼はヒシと胸を抱きて雪に倒れつ、熱涙混々こん/\
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
山霊さんれいたたりにやあらんたちまち暴風雨をおこしてすすむを得ざらしむ、ただ口碑こうひの伝ふる所にれは、百二十年以前に於て利根水源とねすゐげんたる文珠もんじゆ菩薩の乳頭にうたうより混々こん/\として出できた
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
恐らくは万古不融ばんこふゆうの雪にして混々こん/\として利根水量をおうからしむるの大原因たるべし、当夜の寒気かんきおもふに堪へたり、宿所をらんとするも長一丈余の熊笹くまささ繁密せるを以て
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)