うな)” の例文
うなづらは、めずらしいぎです。ご渡海には上々な日。島におわせられても、朝夕、み気色けしきうるわしく、お過ごしあらせられますように」
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
駿河なる不二の裾廻のおのづから張りつつし及ぶうなの原かも
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
照らされし こころの うなづら
秋の瞳 (新字旧仮名) / 八木重吉(著)
春のうなばらもいつかゆったり暮れている。いかりを下ろし、とまをかけて、沖に夜泊やはくの用意も出来た。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
長雨ながあめぞらの幽闇いうあんうなづらにぶ
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
こころの うなづら
秋の瞳 (新字旧仮名) / 八木重吉(著)
親鸞は、今日も、国府こうから四里ほどある漁村をすぎて、裏日本の青いうなばたを歩いていた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
忌憚きたんなく、思うがままを、申しのべよ。戦にかけては、われらが手馴てだれだが、うなばらでの“風見”“波見”はそのほうたちのほうが、多年の経験、われらよりは、はるかにすぐれた先達せんだつのはずだ。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)