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浮川竹
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うきかはたけ
ひそかに
心覺に
因ると、
我朝にても
以前から、
孝行な
娘が
苦界に
沈んで、
浮川竹の
流の
身と
成るのは、
大概人參。
悉皆く己れが
榮耀に遣ひけりお安は
旨々と長庵に欺かされ妹のお富迄も
浮川竹の
流れの身と成りし事を
浮川竹とやらへお
沈め下され
聊かにてもお金に
換らるゝ物ならば此身は
何樣の
艱難を致し候も
更々厭ひ申さねば何卒此身を
遊女に御
賣成れ其お金にて御
年貢の
納め方を
紙に包みて
差出しければ長庵は
押戻し
否々夫は思ひも寄ぬ事なり
豫て我が言たる通り
工面さへ出來る事なれば何であの
孝行な娘の身を
浮川竹に沈むる
周旋を我しやう他人がましき事を