いさご)” の例文
すると、たちまち狂風吹き起って、いさごを飛ばし、石をはしらせ、人々は地に面をおおい、天に眼をふさいだ。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
加ふるに東雲しののめのむらさきと、夕映のくれなゐとは、波を彩り、いさごにうつり、もろもろの麗はしき自然の配色は恣に変幻するがごときも、しかもつつましくこれを渚の弧線の上に繋ぎて
松浦あがた (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
白き人骨はいさごの表にあらはれて、これが爲めにこくするものは、只だ浪の音あるのみ。
子細あるまじと領状して、すなはちこの男をさきに立て、また勢多の方へぞ帰りける、二人共に湖水の波を分けて水中に入る事五十余町あつて、一の楼門あり、開いて内へ入るに、瑠璃るりいさご厚く
いさごの限りあやもなく暮れてゆくなり。
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
眼をしとづれば打續くいさごのはてを
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
なきがらをいさごるか。
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
いさごたふれ嘆くとき
独絃哀歌 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
あふれていさごめよ
草わかば (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
浪洗ふいさごの光。
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)