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沖中
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おきなか
したが、
此戀の
一卷に
只一つ
足らはぬことゝいふは、
表紙がまだ
附かず、
美しう
綴ぢても
無い。
魚はまだ
沖中にぢゃ。
夕陽は
尚ほ濃き影を遠き
沖中の雲にとどめ、
滊車は既に
淡き
燈火を背負うて急ぐ
守らせ
沖の方は
船手へ申付深川
新地より品川
沖迄御
船手にて取切御
備の御船は
沖中へ押出し其外
鯨船數艘を用意し
嚴重に
社備ける然ば次右衞門は
桐棒の
駕籠に打乘
若徒兩人
長柄草履取を