此金このかね)” の例文
アヽおい源八げんぱちさん、源八げんぱちさん、アヽ死んだ、うも此金このかねがあるんで今迄いままで死切しにきれずにたんだナ
黄金餅 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
出す事ゆゑ忠八此金このかね算段さんだんせられよと申ければ忠八は打悦うちよろこび其金子かなら調達てうだついたすべしわたくし一ツの工夫くふうありとて清三郎に耳語さゝやきたの其夜そのよ油町あぶらちやう新道しんみち伊勢屋いせや三郎兵衞方へしのび入て金五百兩を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
わたし惡人あくにんになりまする、なりりたうはけれどらねばりませぬ、ばちをおあててなさらばわたし一人、つかふても伯父おぢ伯母おばらぬことなればおゆるしなさりませ、勿躰もつたいなけれど此金このかねぬすませてくだされと
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
呼出され此金このかねを見よと渡さるゝに治兵衞は改め見て此金に相違さうゐ御座なく候と申立しかば直樣すぐさま本町二丁目の肥前屋小兵衞へ捕方を差向さしむけらるゝに捕方の面々肥前屋へ行向ゆきむかひ上意と聲を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)