此花このはな)” の例文
一度ひとたび静岡の地を踏んで、それを知らない者のない、浅間せんげんの森の咲耶姫さくやひめに対した、草深の此花このはなや、にこそ、とうなずかるる。河野一族随一のえん
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
此花このはなうしたんです。かつたんですか」といた。三千代はだまつて首肯うなづいた。さうして
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
二階のふすまに半紙四ツ切程の大きさに複刻した浮世絵の美人画が張交はりまぜにしてある。その中には歌麻呂のあわび取り、豊信とよのぶの入浴美女など、かつてわたくしが雑誌此花このはな挿絵さしえで見覚えているものもあった。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
みな此花このはなよりうまでて、立去たちさりあへず、ひありく、ひとてふともひつべう。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
貴方あなた此花このはな御嫌おきらひなの?」
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)