歌人かじん)” の例文
貧乏びんぼうながら、こせつかずにくらしてゐたことはとぼしきまゝのうたて、いかにもひとなつかしい、善良ぜんりようなこの歌人かじん性質せいしつおもはれます。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
万葉歌の中にはスミレが出ているから、歌人かじんはこれに関心を持っていたことがわかる。すなわちその歌は、「春のにすみれみにとあれぞ、をなつかしみ一夜ひとよ宿にける」
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
しかしながらむかし歌人かじんは、あきかなしいものだとかんじることの出來できるのは、自分じぶん歌人かじんとしての大事だいじ資格しかくだとおもつてゐました。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
それはふるいことで、この歌人かじんのゐた時分じぶんのことではないが、うたうへではかういふふうに、現代げんだいふるいものに爲立したてゝつくることもあつたのです。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)