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槃特
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はんどく
何うも
宿泊人がなくつては
仕やうがない、
何とか
旨い
工夫は
無いものか
知ら……ウム、
日外お
説教で聞いた事が
有る
釈迦如来のお
弟子に
槃特と
云ふがあつて
併し色が
生白けて眉毛がチヨロけて眼尻が垂れ、
少と失礼の云分だが
倭文庫の挿絵の
槃特に何処か
肖てゐた。第一
忌な眼付をして
生緩い
吻を
利かれると
慄つと身震が出る。
その意味においては、此本は恥しながら、
槃特が塚に生えた忘れ茗荷の、一
本に過ぎない。
其の
槃特が
相果てゝから
之を
葬ると、
其墓場へ
生えたのが
茗荷だと
云ふ事だ、されば「名を
荷ふ」と書いて「めうが」と
読ませる、だから
茗荷を
喰へば
馬鹿になる
至つて
愚鈍にして
忘れつぽい……
托鉢に出て人にお
前さんの名はと聞かれても、自分の名さへ忘れると
云ふのだから、
釈迦如来が
槃特の名を
木札に書き、
之を首に
懸けて
托鉢に出したと
云ふ