槃特はんどく)” の例文
うも宿泊人とまりがなくつてはやうがない、なんとかうま工夫くふういものから……ウム、日外いつぞや説教せつけうで聞いた事が釈迦如来しやかによらいのお弟子でし槃特はんどくふがあつて
(和)茗荷 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
併し色が生白なまつちらけて眉毛がチヨロけて眼尻が垂れ、ちつと失礼の云分だがやまと文庫の挿絵の槃特はんどくに何処かてゐた。第一いやな眼付をして生緩なまぬるくちかれるとぞうつと身震が出る。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
その意味においては、此本は恥しながら、槃特はんどくが塚に生えた忘れ茗荷の、一もとに過ぎない。
古代研究 追ひ書き (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
槃特はんどく相果あひはてゝからこれはうむると、其墓場そのはかばえたのが茗荷めうがだとふ事だ、されば「名をになふ」と書いて「めうが」とませる、だから茗荷めうがへば馬鹿ばかになる
(和)茗荷 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
いたつて愚鈍おろかにしてわすれつぽい……托鉢たくはつに出て人におまへさんの名はと聞かれても、自分の名さへ忘れるとふのだから、釈迦如来しやかによらい槃特はんどくの名を木札きふだに書き、これを首にけて托鉢たくはつに出したと
(和)茗荷 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)