榎本えのもと)” の例文
榎本えのもとはどうしているのでしょうか。江戸えどにきているといううわさはかぜのたよりにきいたのですが、それもたしかめることができません。
新島襄にいじまじょうも、奴隷同様の苦しみをめ、沢や、榎本えのもとは、間諜同様に潜入して、からくもかの地の文明の一端をかじって帰った時分に、柳川一蝶斎の一行は
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
なんて、菅秀才かんしゅうさいはお芝居の寺小屋へ出る。ほかの秀才は他人ひとのことで榎本えのもとかまさんなんかがそうだったのだね。
近くにすんでいる榎本えのもとという洋画家でしたが、表通りを歩いていますと、明智探偵事務所の窓から、青白く光るひとだまのようなものが、スウッと飛びだして
夜光人間 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
所が榎本えのもとが今度糺問所きゅうもんじょの手にかかって居て、そのせつ、榎本の阿母おっかさんもあねさんもお内儀かみさんも静岡に居るが、一向釜次郎かまじろうの処から便りがないのでおおいに案じて居ると
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
三年前に張之洞ちょうしどうの著した有名な勧学篇などにも、大いに日本留学の必要が力説されていて、日本は小国のみ、しかるに何ぞおこるのにわかなるや、伊藤、山県やまがた榎本えのもと陸奥むつの諸人は、みな二十年前
惜別 (新字新仮名) / 太宰治(著)
江連えづれ当時とうじ榎本えのもと家族かぞくといっしょに静岡しずおかにすんでいたのですが、手紙てがみには、つぎのようにかいてありました。
榎本えのもとが段々立身して公使になったり大臣になったりして立派な殿様になったのは、私が占八卦うらないはっけの名人のようだけれども、私の処にはチャント説がまって居て
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
榎本えのもとというおとこは、たいへんなさわぎをやったのだから、死刑しけいになっても、しかたがないのだけれども、一どいのちをとれば、あとからどうすることもできない。
ドウも榎本えのもとは大変な騒ぎをした男であるが、命だけは取らぬようにした方が得じゃないか、何しろこの写真を進上するから御覧ごらんなさいと云て、こまやかに話したこともある。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)