森鴎外もりおうがい)” の例文
明治二十九年の末に出版せられし坪内逍遥つぼうちしょうよう氏が『梨園りえん落葉おちば森鴎外もりおうがい氏が『月草つきぐさ』の二書をひもとけば当時諸家の企てし演劇改革の状況を知るにかたからず。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
そのあいだにおいて別種の注意をひいたのは、かの東京座の三月興行に坪内逍遥つぼうちしょうよう博士の「桐一葉きりひとは」を上演した事と、歌舞伎座の四月興行に森鴎外もりおうがい博士の「日蓮聖人辻説法にちれんしょうにんつじせっぽう
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
森鴎外もりおうがい先生が『スバル』その他の雑誌に寄せられた名著の大半もまた籾山書店から刊行せられた。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
その四月に歌舞伎座で森鴎外もりおうがい博士の「日蓮辻説法にちれんつじせっぽう」が上場された。恐らくそれは舎弟の三木竹二みきたけじ君の斡旋あっせんるものであろうが、劇界では破天荒の問題として世間の注目をいた。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
当代の碩学せきがく森鴎外もりおうがい先生の居邸きょていはこの道のほとり、団子坂だんござかいただきに出ようとする処にある。
光映は明治元年五月十五日上野戦争の際輪王寺りんのうじの宮に供奉ぐぶして上野をのが三河島みかわしま尾久おく村に潜み、十七日市ヶ谷富久町いちがやとみひさちょうの自証院にいたっていとまを賜った。以上は森鴎外もりおうがい先生の「能久親王よしひさしんのう事蹟」に見えている。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)