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板囲
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いたがこい
ふりがな文庫
“
板囲
(
いたがこい
)” の例文
旧字:
板圍
あの東京浅草の住慣れた二階の外に
板囲
(
いたがこい
)
の家だの白い障子の窓だのを
眺
(
なが
)
め暮した岸本の眼には、古い寺院にしても見たいような産科病院の門前にひるがえる
仏蘭西
(
フランス
)
の三色旗
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
板囲
(
いたがこい
)
をして、横に長い、屋根の低い、湿った暗い中で、働いて居るので、三人の石屋も
斉
(
ひと
)
しく
南屋
(
みなみや
)
に雇われて居るのだけれども、
渠等
(
かれら
)
は与吉のようなのではない、大工と
一所
(
いっしょ
)
に
三尺角
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
道庵と与八とは土間の程よいところに陣取って、与八は郁太郎を
卸
(
おろ
)
して膝にかかえ、物珍らしそうに、この大きな小屋がけの天井から
板囲
(
いたがこい
)
いっぱいになった見物人の方をながめて
大菩薩峠:09 女子と小人の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
その頃の宮城前の馬場先一帯は大きな、草
茫々
(
ぼうぼう
)
たる原っぱになっていて、昼間は兵隊が演習をしていた。夜は又半出来のビルデングや建築材料、
板囲
(
いたがこい
)
なんぞの間を不良少年少女がうろうろする。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
戦争の
烈
(
はげ
)
しくならない時は、将軍がみごとな馬車を
駆
(
か
)
ってそこいらを乗り廻しているのが
遥
(
はるか
)
の先から見えたそうである。A君の
指
(
ゆびさ
)
して教えられた
中
(
うち
)
で、ただ一つ質素な
板囲
(
いたがこい
)
の小さい家があった。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
俎
(
まないた
)
を
引摺
(
ひきず
)
っていては
一足
(
ひとあし
)
ごとに
後
(
あと
)
しざるようで
歯痒
(
はがゆ
)
くなる。それを一町ほど行って
板囲
(
いたがこい
)
の小屋の中を
覗
(
のぞ
)
き込むと、
温泉
(
ゆ
)
があった。大きい四角な
桶
(
おけ
)
を
縁
(
ふち
)
まで地の中に
埋
(
い
)
け
込
(
こ
)
んだと同じような
槽
(
ふね
)
である。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
板
常用漢字
小3
部首:⽊
8画
囲
常用漢字
小5
部首:⼞
7画
“板”で始まる語句
板
板塀
板葺
板敷
板木
板片
板子
板橋
板戸
板庇