有田ありた)” の例文
眼鏡めがねをかけているのが、有田ありたくんのおかあさん、ひくいちぢれがみのが、あずまくんのおかあさん、ふとっているのは、小原おばらくんのおかあさんさ。
生きぬく力 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかし今僕等の歩いてゐるのは有田ありたドラツグや愛聖館あいせいくわんの並んだ、せせこましいなりに賑かな往来である。近頃私娼ししやうの多いとか云ふのも恐らくはこの往来の裏あたりであらう。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
少年探偵団員で、中学一年の中村なかむら君と、有田ありた君と、長島ながしま君の三人は、大のなかよしでした。
電人M (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
久米一ほどの名人の火入ひいれする窯焚かまたきはそうザラにあるものでなく、大川内おおかわち伊万里いまり有田ありた三地さんちを通じてみても、今度の献上陶器けんじょうすえものの火入れは、どうしても百助でなければおさまりがつかない。
増長天王 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
有名な有田ありた磁器じきはかくして起ったのであります。李参平りさんぺいという人がその開祖として名が残ります。古薩摩こさつまと呼ばれるものも、かくして始まりました。有名な唐津も新しく仕事を起しました。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
「よし。」といって、鉛筆えんぴつ孝二こうじあたえられました。いつも、首席しゅせきあらそあずま小原おばらは、まだませんでした。つづいてたのは有田ありたです。
生きぬく力 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あずまくん、小原おばらくん、有田ありたくん、この三にんは、くみの三がらすとしてられた秀才しゅうさいでありました。しかし、この三にんは、あまり勉強べんきょうぎて、三にんともんでしまったのです。
生きぬく力 (新字新仮名) / 小川未明(著)