トップ
>
新富座
>
しんとみざ
ふりがな文庫
“
新富座
(
しんとみざ
)” の例文
二番目には寿美蔵延若に、谷崎潤一郎作の小説の「お
艶
(
つや
)
殺し」をさせることになった。これは芸術座が
新富座
(
しんとみざ
)
で失敗した狂言である。
松井須磨子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
丁度
於伝仮名書
(
おでんのかなぶみ
)
をやっていた
新富座
(
しんとみざ
)
を見物に行きますと、丁度向うの
桟敷
(
さじき
)
の中ほどに、三浦の細君が来ているのを見つけました。
開化の良人
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
島原の
新富座
(
しんとみざ
)
で西郷隆盛の新作の芝居が打たれた。あれは多分
黙阿弥
(
もくあみ
)
の脚色に成ったものであったろう。連日の大入であったそうである。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
劇場は日本一の
新富座
(
しんとみざ
)
、グラント将軍が見物したという新富座、はじめて瓦斯燈を用いたという新富座、はじめて夜芝居を興行したという新富座
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
四年ばかりも前に
鴈治郎
(
がんじろう
)
が
新富座
(
しんとみざ
)
で
椀久
(
わんきゅう
)
を出した時に、私と哥津ちやんと
保持
(
やすもち
)
さんが見にゆく約束をしました。
妾の会つた男の人人
(新字旧仮名)
/
伊藤野枝
(著)
▼ もっと見る
その映画の断片によると、当時八歳の自分は両親に連れられて
新富座
(
しんとみざ
)
の芝居を見に行ったことになっている。
銀座アルプス
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
私は
新富座
(
しんとみざ
)
か二丁目ならともかくも、そんな
珍木会
(
ちんぼくかい
)
とか親睦会とかいう
者
(
もん
)
なんざア
七里々
(
しちりしちり
)
けぱいだけれども
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
私が恋したその役者と云うのは、浅草の猿若町の守田座——これは御維新になってから、
築地
(
つきじ
)
に移って今の
新富座
(
しんとみざ
)
になったのですが、役者に出ていた染之助と云う役者なのです。
ある恋の話
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
乳母
(
うば
)
に抱かれ、
久松座
(
ひさまつざ
)
、
新富座
(
しんとみざ
)
、
千歳座
(
ちとせざ
)
なぞの
桟敷
(
さじき
)
で、
鰻飯
(
うなぎめし
)
の
重詰
(
じゅうづめ
)
を物珍しく食べた事、冬の日の
置炬燵
(
おきごたつ
)
で、母が買集めた
彦三
(
ひこさ
)
や
田之助
(
たのすけ
)
の
錦絵
(
にしきえ
)
を繰り広げ、過ぎ去った時代の芸術談を聞いた事。
監獄署の裏
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
金を家へおいて来てから二日ほどすると、藤川から電話がかかり、行ってみると、若林はお神や女中と、
鴈治郎
(
がんじろう
)
一座の
新富座
(
しんとみざ
)
の
噂
(
うわさ
)
をしており、人気が立っているので、三人で
観
(
み
)
に行くことになった。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「どこへ、本郷座? 東京座?
新富座
(
しんとみざ
)
?」
耽溺
(新字新仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
二度目に
新富座
(
しんとみざ
)
へ招かれていった時に、俳優としてあけっぱなしの彼女に、はじめて逢ったのであった。そのおりは、新派の
喜多村
(
きたむら
)
と一座をしていた。
マダム貞奴
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
単に老いたというばかりでなく、かれが多年苦心経営していた
新富座
(
しんとみざ
)
もすでに彼の手をはなれて、事実においてはもう滅亡したも同様の姿になってしまった。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
書掛けた小説を書上げて
若干
(
なにがし
)
かの原稿料を受取ったから、
明日
(
あす
)
は早速送金しようと思っていた晩に、お糸さんが
切
(
しき
)
りに
新富座
(
しんとみざ
)
の当り狂言の
噂
(
うわさ
)
をして観たそうな事を言う。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
その年の十一月、
新富座
(
しんとみざ
)
でも少年劇という看板をあげて、亀蔵、団次郎、
八十助
(
やそすけ
)
、三田八、左喜松、
芝子丸
(
しこまる
)
、福蔵、団子などの少年俳優を狩り集めて開場した。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
この間も、
新富座
(
しんとみざ
)
へ乗込みのときは、
以前
(
せん
)
の通りに——
鬘
(
かつら
)
だったけれど——楽屋下地に結って、紫のきれを額にかけて、
鼈甲
(
べっこう
)
の
簪
(
かんざし
)
をさして、お振袖で、乗組んだのだと。
旧聞日本橋:19 明治座今昔
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
わたしが八つの年に初めて
新富座
(
しんとみざ
)
でかれの渥美五郎を見せられてから、もう幾年になるであろうか。そのあいだに私の記憶に残っている彼の役々はなんであったか。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
新富座
(
しんとみざ
)
に時の大名優九世市川団十郎が「
渡辺崋山
(
わたなべかざん
)
」をして、切腹の正念場の時、私は泣出したのだそうだ。父は私をかかえて家まで送って来て、折角のところを見そくなったとこぼしていた。
旧聞日本橋:15 流れた唾き
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
“新富座”の解説
新富座(しんとみざ)は、明治8年(1875年)に守田座を改称して設立された株式会社組織の劇場。経営者は12代目守田勘弥。所在地は京橋区新富町6丁目36・37番地(現在の中央区新富2丁目6番1号)。
(出典:Wikipedia)
新
常用漢字
小2
部首:⽄
13画
富
常用漢字
小4
部首:⼧
12画
座
常用漢字
小6
部首:⼴
10画
“新富座”で始まる語句
新富座裏
新富座附