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あやめ
ふりがな文庫
“
文目
(
あやめ
)” の例文
そして、遂には
文目
(
あやめ
)
も分かぬ
真
(
しん
)
の闇にとじこめられてしまった。……彼女は極度の恐怖に気を失ってしまったのだ。
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
じっと穴の中を見込んだが、
文目
(
あやめ
)
も知れぬ闇の底から冷たい風が吹いて来るばかり、老人の姿は見えなかった。
加利福尼亜の宝島:(お伽冒険談)
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
日食のうち、夜のうち、
文目
(
あやめ
)
もわかたぬ暗がりのうちには、最も強い人々にとってさえ不安がある。夜ただ一人森の中を歩いて
戦慄
(
せんりつ
)
しない者はない。影と木立ち、二つの恐ろしい密層。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
焔は
烟
(
けふり
)
に
揉立
(
もみた
)
てられ、
烟
(
けむり
)
は更に風の為に砕かれつつも、蒸出す勢の
夥
(
おびただし
)
ければ、猶ほ
所狭
(
ところせ
)
く
漲
(
みなぎ
)
りて、
文目
(
あやめ
)
も分かず
攪乱
(
かきみだ
)
れたる中より爆然と鳴りて、天も焦げよと納屋は一面の猛火と変じてけり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
まるで
酒窖
(
さかぐら
)
の中のやうに真暗で、物の
文目
(
あやめ
)
も分らなかつた。
ディカーニカ近郷夜話 前篇:06 紛失した国書
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
▼ もっと見る
文目
(
あやめ
)
もおぼろ、
蕭
(
しめ
)
やかに、
噫
(
あゝ
)
、
蕭
(
しめ
)
やかに、つくねんと
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
文目
(
あやめ
)
もわかぬ
夜
(
よる
)
の
室
(
むろ
)
に濃き愁ひもて
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
いつの間にか
夕闇
(
ゆうやみ
)
があたりをこめ、たださえ暗い密室は
文目
(
あやめ
)
もわかぬ闇となっていた。その暗黒に包まれたまま、彼の泣き声はいつまでもつづいていた。
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
一巻のブックを
懐
(
ふところ
)
にして、
嘉平治平
(
かへいじひら
)
の
袴
(
はかま
)
の
焼海苔
(
やきのり
)
を
綴
(
つづ
)
れる如きを
穿
(
うが
)
ち、フラネルの
浴衣
(
ゆかた
)
の洗ひ
曬
(
ざら
)
して
垢染
(
あかぞめ
)
にしたるに、
文目
(
あやめ
)
も分かぬ
木綿縞
(
もめんじま
)
の
布子
(
ぬのこ
)
を
襲
(
かさ
)
ねて、ジォンソン帽の
瓦色
(
かはらいろ
)
に化けたるを頂き
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
文目
(
あやめ
)
もおぼろ、蕭やかに、
噫
(
ああ
)
、蕭やかに、つくねんと
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
文目
(
あやめ
)
も知れぬ闇であった。人影などは見えなかった。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
思ひなきこそ
文目
(
あやめ
)
なき
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
同時に骸骨の着物に燃え移っていた焔も消えて、地下室は再び
文目
(
あやめ
)
もわかぬ暗闇になった。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
だが、襖の奥は
文目
(
あやめ
)
も
分
(
わ
)
かぬ暗闇だ。仮令そこに照子がいたとしても、見える訳がない。
恐怖王
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
それよりも、彼を取り囲む
文目
(
あやめ
)
も
分
(
わ
)
かぬ暗闇が、云うばかりなく心細かった。
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
文目
(
あやめ
)
もわかぬ闇の中に、彼の煙草の火が、ポッツリと赤い点を打っていた。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
だが、そこには別に恐ろしいものがいる訳ではなく、ただ
文目
(
あやめ
)
もわかぬ闇があるばかりであった。天井も左右の壁も、板を重ねた上に黒布が張ってあるらしく、針の先程の光もささぬ
如法暗夜
(
にょほうあんや
)
である。
悪魔の紋章
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
広い竹藪の迷路は、
文目
(
あやめ
)
も分かぬ闇となった。
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
“文目(アヤメ)”の解説
アヤメ(菖蒲、文目、綾目、学名:Iris sanguinea)は、アヤメ科アヤメ属の多年草である。病気を治す薬としても使われる。
(出典:Wikipedia)
文
常用漢字
小1
部首:⽂
4画
目
常用漢字
小1
部首:⽬
5画
“文目”で始まる語句
文目筒