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手水場
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ちょうずば
ふりがな文庫
“
手水場
(
ちょうずば
)” の例文
兼太郎は台処の
側
(
そば
)
にある
手水場
(
ちょうずば
)
へ行くよりも格子戸を明けて路地で用を足す方が便利だと思っているので寝しなにはよく外へ出る。
雪解
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
と
手水場
(
ちょうずば
)
の
上草履
(
うわぞうり
)
を
履
(
は
)
いて庭へ
下
(
お
)
り、
開戸
(
ひらき
)
を開け、折戸の
許
(
もと
)
へ
佇
(
たゝず
)
んで様子を見ますと、本を読んでいる声が聞える。
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
監獄の便所のことで、ムシニン(囚人)の言葉だが、ムシ(監獄)に縁の深い俺たちはズバチョオ(
手水場
(
ちょうずば
)
)なんて言葉よりもっぱらこれを使っていた。
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
便所という名が不潔だから、改めたのだとの事であります。便所と云い、
手水場
(
ちょうずば
)
と云い、
雪隠
(
せっちん
)
と云い、はばかりと云う名には、少しも不潔な意味はありません。
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
押人の中、
箪笥
(
たんす
)
の上、脱ぎ捨てた着物、一つも平次の目を
脱
(
のが
)
れるものはありません。それが済むと、縁側へ出て、便所の
手水場
(
ちょうずば
)
の下をツクヅク眺めております。
銭形平次捕物控:023 血潮と糠
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
なんでも障子の紙かなんかの破れた処から吹き込むようだねえ。あの
手水場
(
ちょうずば
)
の高い処にある小窓の障子かも知れないわ。表の手水場のは
硝子
(
ガラス
)
戸だけれども、裏のは紙障子だわね。
心中
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
離れの、
手水場
(
ちょうずば
)
の、小窓から、白い顔がのぞいて、そうしたやさしい声が掛ったのだ。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
「だって、余り飲んでは毒ですよ、もう好い加減になさい、また
手水場
(
ちょうずば
)
にでも入って寝ると、
貴郎
(
あなた
)
は大きいから、私と、お鶴(下女)の手ぐらいではどうにもなりやしませんからさ」
蒲団
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
お
手水場
(
ちょうずば
)
へ入って落着いてという気分になりました。
大菩薩峠:38 農奴の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
お
手水場
(
ちょうずば
)
の縁のほうで、老公の声がする。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
僧「恋慕を仕掛けた宿屋の忰が、刄物を持って来て貴方に迫り、わっという声に驚いて眼をさまして来ました、早く
灯火
(
あかり
)
を……廊下へ出れば
手水場
(
ちょうずば
)
に灯火がある」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
わざとらしく境の
襖
(
ふすま
)
が明け放しになっていて、長火鉢や
箪笥
(
たんす
)
や
縁起棚
(
えんぎだな
)
などのある八畳から
手水場
(
ちょうずば
)
の
開戸
(
ひらきど
)
まで見通される台処で、おかみさんはたった一人
後向
(
うしろむき
)
になって米を
磨
(
と
)
いでいた。
雪解
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「
貴郎
(
あなた
)
、貴郎、酔っぱらってはいやですよ。そこは
手水場
(
ちょうずば
)
ですよ」
蒲団
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
平次は
手水場
(
ちょうずば
)
から帰って来てさて寝ようとすると
銭形平次捕物控:082 お局お六
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
女「少しお頼みでございますがお
手水場
(
ちょうずば
)
を拝借致しとうございます」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と後からつづいて
手水場
(
ちょうずば
)
へと降りて来た兼太郎にも勤めたので
雪解
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
水
常用漢字
小1
部首:⽔
4画
場
常用漢字
小2
部首:⼟
12画
“手水”で始まる語句
手水
手水鉢
手水盥
手水口
手水所
手水桶
手水洗
手水流
手水石