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愛鷹
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あしたか
ふりがな文庫
“
愛鷹
(
あしたか
)” の例文
富士、
愛鷹
(
あしたか
)
、箱根連山など。——総じて、この半島伊豆の地上では、そうした風土や自然が、人間の容姿や気風にまでよく
映
(
うつ
)
っていた。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その枝は不二と
愛鷹
(
あしたか
)
とを振り分けて、
殊
(
こと
)
に愛鷹の
両尖点
(
りやうせんてん
)
(右なるは主峰越前嶽にして
位牌
(
ゐはい
)
ヶ嶽は左の
瘤
(
こぶ
)
ならむ)は、
躍
(
をど
)
つて梢に
兎耳
(
とじ
)
を立てたり
霧の不二、月の不二
(新字旧仮名)
/
小島烏水
(著)
次第高になつてゆく
愛鷹
(
あしたか
)
と
足柄
(
あしがら
)
との山あひの富士の裾野がずつと遠く、ものゝ五六里が間は望まれるのである。然し、その日は私は頂上まで行き度くなかつた。
樹木とその葉:25 或る日の昼餐
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
愛鷹
(
あしたか
)
山の南麓なる浮島ヶ原なども、古来有名なためにかえってもったいぶった伝説もあるが、決して島が浮遊するわけではなく、神代紀にいわゆる
浮渚
(
ふと
)
在平処の浮渚で
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
紅塵万丈の
熱鬧
(
ねっとう
)
世界を遠く白雲
緬邈
(
めんばく
)
の地平線下に委棄し
来
(
きた
)
って、悠々として「四条五条の橋の上」に遊び、「
愛鷹
(
あしたか
)
山や富士の
高峰
(
たかね
)
」の上はるかなる国に
羽化登仙
(
うかとうせん
)
し去るのである。
謡曲黒白談
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
幸いに晴れていて、富士も見えれば
愛鷹
(
あしたか
)
も見える。伊豆の岬、三保の松原、手に取るようでありますが、七兵衛は海道第一の景色にも頓着なく、例の早足で、すっすと風を切って上って行く。
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
富士の裾野のうちで、富士をうしろにし、真正面に足柄山、右に
愛鷹
(
あしたか
)
山、左に名も知らぬ外輪山風の低い山脈を置いた間の広大な原野を土地では大野原と呼んでいる。
みなかみ紀行
(新字新仮名)
/
若山牧水
(著)
手近の
愛鷹
(
あしたか
)
山さえ、北の最高峰越前岳から、南の
位牌
(
いはい
)
岳を連ぬるところの、
鋸
(
のこぎり
)
の歯を立てた鋸岳や、黒岳を引っ
括
(
くる
)
めて、山一杯に緑の
焔
(
ほのお
)
を吐く森林が、水中の藻の揺らめくように
不尽の高根
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
函南
(
かんなみ
)
の裾野から足柄、
愛鷹
(
あしたか
)
のふもとへかけ十里は人馬のとどろきといってよい。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
上州
横室
(
よこむろ
)
の赤城神社、駿河の
愛鷹
(
あしたか
)
明神、越中の
立山
(
たてやま
)
権現、大和では
纏向
(
まきむく
)
の
穴師坐兵主
(
あなしにますひょうず
)
神社、東北では羽後
飽海
(
あくみ
)
郡の
国幣
(
こくへい
)
中社
大物忌
(
おおものいみ
)
神社、同
雄勝
(
おがち
)
郡大沢の
荒羽波岐
(
あらはばき
)
神社、北秋田の
七座
(
ななくら
)
神社森吉神社等
年中行事覚書
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
離れ離れに静かな水を伏せている、函根、御阪、早川連嶺などが、今の雨ですっきりと洗われて、鮮やかな
緑靛
(
りょくてん
)
色をしている、
愛鷹
(
あしたか
)
を超えて伊豆半島の天城山が、根のない霞のように
白峰山脈縦断記
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
駿河
(
するが
)
なる沼津より見れば富士が嶺の前に垣なせる
愛鷹
(
あしたか
)
の山
樹木とその葉:06 四辺の山より富士を仰ぐ記
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
その尖端が
愛鷹
(
あしたか
)
山の方向へと流れて行く、振り返れば、箱根
火山彙
(
かざんい
)
には、雲が低く垂れて、乙女峠から金時山の腰へかけて、大河の逆流するばかり、山と山との間は、幾つにも朝雲が
屯
(
たむ
)
ろして
雪中富士登山記
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
駿河
(
するが
)
なる沼津より見れば富士が嶺の前に垣なせる
愛鷹
(
あしたか
)
の山
村住居の秋
(新字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
大君の御料の森は
愛鷹
(
あしたか
)
の
百重
(
ももへ
)
なす
襞
(
ひだ
)
にかけてしげれり
樹木とその葉:06 四辺の山より富士を仰ぐ記
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
富士から
愛鷹
(
あしたか
)
にかけては
樹木とその葉:13 釣
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
愛
常用漢字
小4
部首:⼼
13画
鷹
漢検準1級
部首:⿃
24画
“愛鷹”で始まる語句
愛鷹山
愛鷹丸