恩恵おんけい)” の例文
旧字:恩惠
科学隆興りゅうこう時代となり、生活は科学の恩恵おんけいによって目まぐるしいまでに便利なものとなり、科学によって生活程度は急激なる進歩をもたらし、科学に従事し
『地球盗難』の作者の言葉 (新字新仮名) / 海野十三(著)
種痘法が日本へ輸入されたのは一八四九年すなわち嘉永かえい二年のことでありまして、それ以後日本国民もジェンナーの恩恵おんけいに浴することになったのであります。
ジェンナー伝 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
それをどう斯う云うのは恩恵おんけい深き自然に対して正しく叛旗はんきをひるがえすものである。よしたまえ、ビジテリアン諸君、あんまり陰気なおまけに子供くさい考は。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
早くから海外に眼を放って、いつか世界的知性を帯びていたのも、畢竟ひっきょう、信長の恩恵おんけいであった。安土の高閣の一室にあった世界地図屏風びょうぶは、そっくり秀吉の脳裡に写しとられていた。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また或は各地の固有に有余ゆうよ不足ふそくあらんには互にこれを交易こうえきするもなり。すなわち天与てんよ恩恵おんけいにして、たがやして食い、製造して用い、交易こうえきして便利を達す。人生の所望しょもうこの外にあるべからず。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
まるるときは産婆さんばに手数料を払い、死すときは葬儀屋そうぎや桶代おけだいを払い、死後遺産いさんゆずれば租税そぜいを払う、何ものか払わでまさるべきものかある。ただ自然の美のみはあたいなしに得らるる恩恵おんけいである。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
ただ神の正義を伝えんが為にここに来た。諸君、諸君は神を信ずる。何がゆえに神に従わないか。何故に神の恩恵おんけいこばむのであるか。すみやかにこれを悔悟かいごして従順なる神のしもべとなれ。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)