微吹そよふ)” の例文
折しも微吹そよふく風のまにまに、何処いずくより来るとも知らず、いともたえなるかおりあり。怪しと思ひなほぎ見れば、正にこれおのが好物、鼠の天麩羅てんぷらの香なるに。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
あしがくれの大手おほてを、をんなけて、微吹そよふ朝風あさかぜにもらるゝ風情ふぜいで、をとこふらつくとゝもにふらついてりてた。……しこれでこゑがないと、男女ふたり陽炎かげらふあらはす、最初さいしよ姿すがたであらうもれぬ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
春風はるかぜ微吹そよふきぬ
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)