トップ
>
御行
>
おぎょう
ふりがな文庫
“
御行
(
おぎょう
)” の例文
ちょうど、それと前後して、
御行
(
おぎょう
)
の松の下を走る二人の者。前に手を引いているのはお絹で、あとのは千隆寺の住職。二人とも
跣足
(
はだし
)
。
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
それは根岸
御行
(
おぎょう
)
の松に住んでいた頃の物語であるが、ある日立派な侍が沢山の進物を供に持たせ北斎の
陋屋
(
ろうおく
)
を訪ずれた。
北斎と幽霊
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
それから
根岸
(
ねぎし
)
の
御行
(
おぎょう
)
の松、
亀井戸
(
かめいど
)
の
御腰掛
(
おこしかけ
)
の松、
麻布
(
あざぶ
)
には一本松、
八景坂
(
はっけいざか
)
にも
鎧掛
(
よろいかけ
)
の松とか申すのがありました。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
がアーッと二、三羽の
鴉
(
からす
)
——
御行
(
おぎょう
)
の松のこずえを打って、薄陽の残る
御隠殿
(
ごいんでん
)
の森の暮色へと吸いこまれてゆく。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
だが、それにも拘らず、私は彼女の指定して来た時間に、
御行
(
おぎょう
)
の松の下の、あの化物屋敷へ出向いて行った。
陰獣
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
その晩、ガラッ八の八五郎が、根岸の百姓町にかかったのは
亥刻
(
よつ
)
(十時)を少し廻った頃、
御行
(
おぎょう
)
の松の手前を右へ折れて、とある寮の裏口へ、忍ぶ風情に身を寄せました。
銭形平次捕物控:015 怪伝白い鼠
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
雪之丞、孤軒老師が、この付近根岸
御行
(
おぎょう
)
の松に近く住んでいるといっていたのを思い出した。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
神尾主膳が戻って来たのでないことは確かだが、因果なことに、その二人が、
御行
(
おぎょう
)
の松の根元へ来て、どっかと腰をおろしてしまったことです。
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
亀井戸普門院
(
かめいどふもんいん
)
の
御腰掛松
(
おこしかけまつ
)
、
柳島妙見堂
(
やなぎしまみょうけんどう
)
の松、
根岸
(
ねぎし
)
の
御行
(
おぎょう
)
の
松
(
まつ
)
、
隅田川
(
すみだがわ
)
の
首尾
(
しゅび
)
の
松
(
まつ
)
なぞその他なおいくらもあろう。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
ままよ、面倒くさい、打ッちゃらかして行けという気なのでしょう、そのまま
御行
(
おぎょう
)
の松の先から横丁へ影を隠して、やがて上野のすそから山下の通りへ出ました。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ほどなく、根岸の
御行
(
おぎょう
)
の松に近いところへ、かなりの広い屋敷を借受けて、そこへ移り住んだ
主
(
ぬし
)
というのが、別人ならぬ神尾主膳でありました。
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
麻布網代町
(
あざぶあみしろちょう
)
、
小石川白山
(
こいしかわはくさん
)
、
渋谷荒木山
(
しぶやあらきやま
)
、
亀戸天神
(
かめいどてんじん
)
なんぞいつか古顔となり、
根岸
(
ねぎし
)
御行
(
おぎょう
)
の
松
(
まつ
)
、
駒込神明町
(
こまごめしんめいちょう
)
、
巣鴨庚申塚
(
すがもこうしんづか
)
、
大崎五反田
(
おおさきごたんだ
)
、中野村
新井
(
あらい
)
の
薬師
(
やくし
)
なぞ
桑中喜語
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
その茶寮の縁先からは、遠からぬ所の
御行
(
おぎょう
)
の松が、夜の空を摩してのぞまれますし、広い庭は、
雪見燈籠
(
ゆきみどうろう
)
も
空堀
(
からぼり
)
の
那智
(
なち
)
石も、落葉に
埋
(
う
)
まって冬ざれの霜の荒れにまかせてあります。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
根岸の
御行
(
おぎょう
)
の松の下の、神尾主膳の新屋敷の一間で、
青梅
(
おうめ
)
の裏宿の七兵衛が、しきりに
気障
(
きざ
)
な
真似
(
まね
)
をしています。
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
エエよろしゅうございますとも、なにしろ、
御行
(
おぎょう
)
の松から
御隠殿
(
ごいんでん
)
——あの
水鶏橋
(
くいなばし
)
の辺は、昼でも薄気味のわるい所でございますからな……。夜のお使いは、あんまりゾッとしませんや。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ここは
呉竹
(
くれたけ
)
の根岸の里の
御行
(
おぎょう
)
の松、番町だの、四谷だの、何を言っているのだ、そんなことで訪ね先がわかるものか、もっと要領のよい名ざしがありそうなものだと
大菩薩峠:32 弁信の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
いったん、姿をかくした七兵衛が、また
御行
(
おぎょう
)
の松の下に姿を現わしたのはその時で
大菩薩峠:25 みちりやの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
なるほど、この
御行
(
おぎょう
)
の松の上へのぼると、
呉竹
(
くれたけ
)
の根岸の里の寺々がよく見えます。
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
夜のおそきを
厭
(
いと
)
わず、
御行
(
おぎょう
)
の松の下屋敷へかえって来て、戸を叩くと、まだ寝ていなかったらしいお絹が、直ぐに戸をあけてくれたのを見ると、今日は、でかでかと
大丸髷
(
おおまるまげ
)
のしどけない姿。
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
“御行”の意味
《名詞》
御行 (ごぎょう)
クソニンジンの漢名。
《代名詞》
御行 (おんこう)
(会話語)相手が属する銀行を指す尊敬語。
(出典:Wiktionary)
御
常用漢字
中学
部首:⼻
12画
行
常用漢字
小2
部首:⾏
6画
“御行”で始まる語句
御行方
御行水
御行衛
御行先
御行末
御行松
御行状
御行者
御行縢持小市若
御行縢持小駒若