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得立
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えた
ふりがな文庫
“
得立
(
えた
)” の例文
と寄ってたかって声も
得立
(
えた
)
てない女を、びしびしと
苛
(
さいな
)
んでいる有様、見兼ねた新九郎は前後を忘れてばらばらと躍り出した。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
麩
(
ふ
)
に飽きた金魚のように口をモグモグさせながらも、あまりの事に声を
得立
(
えた
)
てず、両手の指を交る交るに突き出して、前方に立ち
塞
(
ふさ
)
がる、
海鼠塀
(
なまこべい
)
の土蔵を指すのでした。
銭形平次捕物控:009 人肌地蔵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
其
(
そ
)
の
時
(
とき
)
恥辱
(
はぢ
)
と
恐怖
(
おそれ
)
とに
弱
(
よわ
)
きものの
聲
(
こゑ
)
をも
得立
(
えた
)
てず、
傷
(
いた
)
み、
悲
(
かなし
)
み、
泣
(
な
)
ける
容
(
かたち
)
、
粧
(
よそほ
)
はざるに
愁眉
(
しうび
)
、
泣粧
(
きふしやう
)
。
柳腰
(
りうえう
)
鞭
(
むち
)
に
折
(
くじ
)
けては
折要歩
(
せつえうほ
)
を
苦
(
くる
)
しみ、
金釵
(
きんさい
)
地
(
ち
)
に
委
(
ゐ
)
しては
墮馬髻
(
だばきつ
)
を
顯實
(
けんじつ
)
す。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
こっちでお米が声を
筒抜
(
つつぬ
)
かせた。——ハッと思って眼をみはるとお藤の体はグッタリして、
仲間
(
ちゅうげん
)
の脇の下に
掻
(
か
)
い込まれ、声も
得立
(
えた
)
てずズルズルと
川縁
(
かわべり
)
へ。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
得
常用漢字
小5
部首:⼻
11画
立
常用漢字
小1
部首:⽴
5画
“得”で始まる語句
得
得意
得物
得心
得体
得々
得手
得度
得態
得策