“海鼠塀”の読み方と例文
読み方割合
なまこべい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もう、忍びやかな夕陽ゆうひの影が、片側の松平越中様の海鼠塀なまこべいにはい寄って、頭上のけやきのこずえを渡る宵風には、涼味りょうみがあふれる。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
根気よく影をつけていた浜島庄兵衛の日本左衛門には、そろそろ思うつぼの並木や、人通りのまれな海鼠塀なまこべい、暗やみです。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
に飽きた金魚のように口をモグモグさせながらも、あまりの事に声を得立えたてず、両手の指を交る交るに突き出して、前方に立ちふさがる、海鼠塀なまこべいの土蔵を指すのでした。