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海鼠塀
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なまこべい
ふりがな文庫
“
海鼠塀
(
なまこべい
)” の例文
もう、忍びやかな
夕陽
(
ゆうひ
)
の影が、片側の松平越中様の
海鼠塀
(
なまこべい
)
にはい寄って、頭上のけやきのこずえを渡る宵風には、
涼味
(
りょうみ
)
があふれる。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
根気よく影をつけていた浜島庄兵衛の日本左衛門には、そろそろ思うつぼの並木や、人通りのまれな
海鼠塀
(
なまこべい
)
、暗やみです。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
麩
(
ふ
)
に飽きた金魚のように口をモグモグさせながらも、あまりの事に声を
得立
(
えた
)
てず、両手の指を交る交るに突き出して、前方に立ち
塞
(
ふさ
)
がる、
海鼠塀
(
なまこべい
)
の土蔵を指すのでした。
銭形平次捕物控:009 人肌地蔵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
夜眼にも白い
海鼠塀
(
なまこべい
)
が、何町というほどズウッとつづいているのが、道のはずれに遠く見える。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
かなり荒廃した
海鼠塀
(
なまこべい
)
の一軒の屋敷、そこでミリッと生木の裂けるような音がしたかと思うと、松の枝を
撓
(
しな
)
わせて塀を越えた一人の若者が、ひらりと、大地へおどり立ちました。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
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海鼠塀
(
なまこべい
)
の土藏を指すのでした。
銭形平次捕物控:009 人肌地藏
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
松平
下総守様
(
しもうさのかみさま
)
のお下屋敷を左に見て、
韓軫橋
(
かんしんばし
)
をわたると、右手が
佐竹右京太夫
(
さたけうきょうだゆう
)
のお上屋敷……
鬱蒼
(
うっそう
)
たる植えこみをのぞかせた
海鼠塀
(
なまこべい
)
がずうっとつづいていて、片側は、
御徒組
(
おかちぐみ
)
の長屋の影が
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
海
常用漢字
小2
部首:⽔
9画
鼠
漢検準1級
部首:⿏
13画
塀
常用漢字
中学
部首:⼟
12画
“海鼠”で始まる語句
海鼠
海鼠壁
海鼠腸
海鼠板
海鼠釉
海鼠餅
海鼠形
海鼠襟
海鼠色
海鼠台場