得易えやす)” の例文
外套ぐわいたう日蔭町物ひかげちやうもの茶羅紗ちやらしやかへしたやうな、おもいボテ/\したのを着て、現金げんきんでなくちやかんよとなどゝ絶叫ぜつけうするさまは、得易えやすからざる奇観きくわんであつたらうとおもはれる
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
貶黜へんちゅつせらるること七十余回ということを真なりとせば、得易えやすからざる人傑であります。
大菩薩峠:28 Oceanの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
いま左迄さまで有要いうえうともえぬこの孤島はなれじまも、いまより三十ねんもしくば五十ねんのちわが日本につぽん世界せかい大權力だいけんりよくふるはんとするとき西方にしのかた歐羅巴エウロツパたいする軍略上ぐんりやくじやう如何いか得易えやすからざる要鎭えうちんとなるかは
また得易えやすからぬものだと思いましたが、年寄に聞いてみても、ただ古くから伝えられているとばかりで、いつの頃、誰によって、この地方へ持ち来たされたものだか、それはわかりませんでした。
大菩薩峠:25 みちりやの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
同情心にも富んでいるという得易えやすからぬ徳を備えておりました。
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
おばさんにとっても得易えやすからぬ知己でしたね
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)