待伏まちぶ)” の例文
燕作がかえってくるのを待伏まちぶせる計略か、蛾次郎はギョロッとすごい目をして水車小屋すいしゃごやの裏へかくれこんだ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かへしには何時いつでもい、薄馬鹿野郎うすばかやらうめ、弱虫よはむしめ、こしぬけの活地いくぢなしめ、かへりには待伏まちぶせする、横町よこてうやみをつけろと三五らう土間どま投出なげだせば、をりから靴音くつおとたれやらが交番かうばんへの注進ちうしんいまぞしる
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あの夜から毎晩、四人は螺旋階段にひそんで、怪鳥の現われるのを待伏まちぶせた。怪鳥は空から来る、新田はそう断言した。博士にも北村にも信じられなかったが、新田は確信ありげに繰返くりかえし断言した。
廃灯台の怪鳥 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
國「それは訳なく出来ますとも、わたくしが殿様に用がありますから先へ帰して下さいましといえば、屹度きっと先へ帰して下さるに違いはありませんから、大曲おおまがりあたりで待伏まちぶせて彼奴あいつをぽか/\おなぐりなさい」