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引添
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ひっそ
ふりがな文庫
“
引添
(
ひっそ
)” の例文
車に
引添
(
ひっそ
)
うてまだ一人、四十許りの、四角な
面
(
かお
)
の、
茸々
(
もじゃもじゃ
)
と
髭
(
ひげ
)
の生えた、人相の悪い、
矢張
(
やっぱり
)
草鞋穿
(
わらじばき
)
の土方風の男が、古ぼけて茶だか鼠だか分らなくなった
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
心懸けの
好
(
い
)
い、
実体
(
じってい
)
もので、身が定まってからも、こうした御機嫌うかがいに出る志。お
主
(
しゅう
)
の娘に
引添
(
ひっそ
)
うて、身を固めて
行
(
ゆ
)
く
態
(
ふり
)
の、その円髷の
大
(
おおき
)
いのも、かかる折から頼もしい。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
片辺
(
かたえ
)
に
引添
(
ひっそ
)
い、米は前へ立ってすらすらと入るのを、蔵屋の
床几
(
しょうぎ
)
に居た両人、島野と義作がこれを
差覗
(
さしのぞ
)
いて、
慌
(
あわただ
)
しくひょいと立って、体と体が
縒
(
よ
)
れるように並んで、
急足
(
いそぎあし
)
につかつかと出た。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
微笑
(
ほほえ
)
みながら、濃い茶に鶴の羽小紋の
紋着
(
もんつき
)
二枚
袷
(
あわせ
)
、
藍気鼠
(
あいけねずみ
)
の半襟、
白茶地
(
しらちゃじ
)
に
翁格子
(
おきなごうし
)
の博多の丸帯、古代模様空色
縮緬
(
ちりめん
)
の
長襦袢
(
ながじゅばん
)
、慎ましやかに、酒井に
引添
(
ひっそ
)
うた
風采
(
とりなり
)
は、
左支
(
さしつか
)
えなく
頭
(
つむり
)
が下るが
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
小芳はひたと、酒井の肩に、前髪の附くばかり、後に
引添
(
ひっそ
)
うて
縋
(
すが
)
り
状
(
ざま
)
に
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
引
常用漢字
小2
部首:⼸
4画
添
常用漢字
中学
部首:⽔
11画
“引”で始まる語句
引
引込
引摺
引返
引張
引掛
引籠
引立
引緊
引出