引取ひきとつ)” の例文
郡代衆ぐんだいしう出張しゆつちやうの役所へ訴へ出けるに伊奈いな半左衞門殿の手代横田五左衞門深見吉五郎檢使けんし立合の上改め相濟あひすみ一先權現堂村の名主仙右衞門方へ引取ひきとつての調べと相成り横田は平吉にむかひ其方は平兵衞のせがれなるかととふ平吉はつ平伏へいふくしける時横田は又其方の親平兵衞儀日頃何か他に意趣遺恨いしゆゐこん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
悶えて居るゆゑ後藤は可笑をかしく思ひ是はしたり成程なるほど御前さんには持れぬはずどれ此方こつちへと引取ひきとつて駕籠の棒へ下緒さげをにてくゝりつけコレ御女中お前も一所いつしよに乘り給へ然すればかへつて道もはかどらんと云ふに女は否々いへ/\どう致して勿々なか/\勿體もつたいなしと辭退じたいなしければナニ遠慮なさるな夜中の事ゆゑ外に誰も見る者なしサア/\乘り給へと手を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
しやし奉つらずして此度の病氣とて全快ぜんくわい覺束おぼつかなし何卒此上とも我なきあとの玉之助が事ひとへに頼みまゐらするとなみだながらにのべにける感應院は逐一ちくいちに承知し玉之助の事は必ず氣にかけられな萬一もしもの事あらば拙者が方へ引取ひきとつ世話せわつかはすべし左樣の事はあんじずすこしも早く全快せられよ夫れには藥用こそ第一なれなどすゝめければ嘉傳次は感應院を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)