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広闊
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こうかつ
ふりがな文庫
“
広闊
(
こうかつ
)” の例文
その葉はユリの諸種とは違い、
広闊
(
こうかつ
)
なる心臓形で
網状脈
(
もうじょうみゃく
)
を有し、花は一茎に数花横向きに開き、
緑白色
(
りょくはくしょく
)
で左右相称状になっている。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
平野に進出した者はこれを
広闊
(
こうかつ
)
なる水面にまで適用し、止まって山地の生活を持続した者もまたややこれを奥の入りに持ち運んだためであろう。
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
冬の間、俊寛は畑を作ることに、一生懸命になった。彼は、まず畑のために選定した彼の
広闊
(
こうかつ
)
な土地へ、火を放った。そして、雑草や
灌木
(
かんぼく
)
を焼き払った。
俊寛
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
アウグスチヌスの言ったように、神の国の敷居をまたげば内は
広闊
(
こうかつ
)
だけれども、入口の
鴨居
(
かもい
)
が低いから、高慢心のある人は頭がつかえて、入れないのである。
キリスト教入門
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
又
然
(
さ
)
なくとも
崛強
(
くっきょう
)
なる奥州の地武士が何を仕出さぬとも限らぬところである、また然様いう心配が無くとも
広闊
(
こうかつ
)
な出羽奥州に信任すべき一雄将をも置かずして
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
大湯温泉で容易に雇い入るる事が出来て、山の頂上は
苗場山
(
なえばさん
)
式に
広闊
(
こうかつ
)
であるということが分明になった、そうして大平氏は初めは平ヶ岳に趣味を持たなかったが
平ヶ岳登攀記
(新字新仮名)
/
高頭仁兵衛
(著)
しかして書中に現れた悪魔の態度の実に
凛々
(
りり
)
しく、彼の野心の実に偉大なる、彼の度量の
広闊
(
こうかつ
)
なる、読む者をして知らず知らず神よりも悪魔を尊敬する念を起こさしむる。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
もし新しき文学が、コンミニズム文学と新感覚派文学の二つであるとするならば、そのいずれが、果して文学の圏内に於て、より新しくして
広闊
(
こうかつ
)
なる文学となるべきであろうか。
新感覚派とコンミニズム文学
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
さきほどの
広闊
(
こうかつ
)
とした海でなく、湾であり入江である。その入江を抱く左手の山から、
鴉
(
からす
)
の声が聞えて来る。それも一羽ではなく、数十数百羽の鴉が、空に飛び
交
(
か
)
いながら鳴いていた。
幻化
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
その
広闊
(
こうかつ
)
な場面を、幾何学的造りの庭が池の単純な円や、花壇の複雑な雲型や弧形で、精力的に
区劃
(
くかく
)
されていた。それは偶然規則的な図案になって大河底を流れ下る氷の渦紋のようにも見えた。
母子叙情
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
だらだら坂を登り切ると、丘の頂上は
喬木
(
きょうぼく
)
の
疎林
(
そりん
)
となり、その間を縫う
径
(
みち
)
を通るとき、暑い午後の
日射
(
ひざし
)
は私の額にそそぎ、汗が絶え間なくしたたった。林をぬけると、やや
広闊
(
こうかつ
)
な草原があった。
桜島
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
“広闊”の意味
《名詞》
広闊(こうかつ)
広々として眺望が開けていること。また、そのようなさま。
(出典:Wiktionary)
広
常用漢字
小2
部首:⼴
5画
闊
漢検1級
部首:⾨
17画
“広”で始まる語句
広
広場
広東
広重
広々
広間
広小路
広野
広漠
広汎