干棹ほしざを)” の例文
もの干棹ほしざをにさしかけの茣蓙ござの、しのぎをもれて、そとにあふれたひとたちには、かさをさしかけて夜露よつゆふせいだ。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
なあ、ばあさん。——あらものばあさんが、つてるんだ。椋鳥むくどり畜生ちくしやう、もの干棹ほしざを引掻ひきか𢌞まはいてくれようと、幾度いくど飛出とびだしたかわからねえ。たけえからとゞかねえぢやありませんかい。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
もの干棹ほしざをながやつ持出もちだして、掻𢌞かきまはして、引拂ひつぱたかうとおもつても、二本にほんいでもとゞくもんぢやねえぢやあねえか。たかくつてよ。なあばあさん、椋鳥むくどり畜生ちくしやう、ひどいはしやがるぢやあねえか。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)