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干棹
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ほしざを
もの
干棹にさしかけの
茣蓙の、しのぎをもれて、
外にあふれた
人たちには、
傘をさしかけて
夜露を
防いだ。
なあ、
婆さん。——
荒もの
屋の
婆さんが、
知つてるんだ。
椋鳥の
畜生、もの
干棹で
引掻き
𢌞いてくれようと、
幾度飛出したか
分らねえ。
樹が
高えから
屆かねえぢやありませんかい。
もの
干棹の
長い
奴を
持出して、
掻𢌞して、
引拂かうと
思つても、
二本繼いでも
屆くもんぢやねえぢやあねえか。
樹が
高くつてよ。なあ
婆さん、
椋鳥の
畜生、ひどい
目に
逢はしやがるぢやあねえか。