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屯
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たむ
ふりがな文庫
“
屯
(
たむ
)” の例文
千住
(
せんじゅ
)
の
宿
(
しゅく
)
にはおそらく官軍が
屯
(
たむ
)
ろしているであろう。その警戒の眼をくぐり抜けるには、暗くなるのを待たなければならない。
兜
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
一旦退いた討手の勢はそれと見るより引っ返して再び門に迫ったが
左右
(
そう
)
なく討ち入る事もせず同じ場所に
屯
(
たむ
)
ろして
空声
(
からごえ
)
ばかりを上げるのであった。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
あたりは、彼の部隊が
屯
(
たむ
)
ろしているところとは、ちがう。まず、氷山のうえに、ひらひらとひるがえる日章旗が、リント少将をその場に、すくませてしまった。
地底戦車の怪人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
金銀財宝などは
塵芥
(
ちりあくた
)
も同然だ、やがて、
収穫
(
とりいれ
)
の季節も終り、水車小屋が
他人手
(
ひとで
)
に渡つたあかつきには、ヤグラ岳の山窩へなりと
屯
(
たむ
)
ろして、ロビンフツドの夢を実現させようではないか
武者窓日記
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
どちらかというと俳句の弟子と和歌の弟子とはそれぞれ別々に
屯
(
たむ
)
ろして居った。
子規居士と余
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
▼ もっと見る
乗合馬車、俗に円太郎は一層難物、浅草千里軒の営業、雷門前に
屯
(
たむ
)
ろして、いまのトラックへ幌をかけたような体裁、一頭立てや二頭立てで痩せ馬をビシビシ、浅草新橋間をやみ雲に走らす。
明治世相百話
(新字新仮名)
/
山本笑月
(著)
その尖端が
愛鷹
(
あしたか
)
山の方向へと流れて行く、振り返れば、箱根
火山彙
(
かざんい
)
には、雲が低く垂れて、乙女峠から金時山の腰へかけて、大河の逆流するばかり、山と山との間は、幾つにも朝雲が
屯
(
たむ
)
ろして
雪中富士登山記
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
そこで今度は岸に添うて湖水の周囲を調べようと土人軍達が
屯
(
たむ
)
ろしているその岸を指して船を漕いだ。土人達はほとんど間断なく空砲を空に向けて撃っている。
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
遠征隊を組織して今からちょうど一月ほど前から
窃
(
ひそ
)
かにここに
屯
(
たむ
)
ろして様子を
窺
(
うかが
)
っているのであった。
加利福尼亜の宝島:(お伽冒険談)
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
幔幕を張り
焚火
(
たきび
)
をし、抜き身の槍を幾本か立てた、一団が静まって
屯
(
たむ
)
ろしていたが、槍の先に三個の生首を貫き、それを示威的に川の
畔
(
くろ
)
に立て、幾人かの浪人らしい武士たちが
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
腹巻き一つ着けたもの、
小手
(
こて
)
脛当
(
すねあ
)
てだけ付けた者、そうかと思うと半裸体の乞食非人さながらの者、それがいずれも意気
軒昂
(
けんこう
)
と、血まみれの槍や刀を
携
(
たずさ
)
え
屯
(
たむ
)
ろしているのでございます
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
一陣、二陣、三の陣と、次第次第に人数を増し、最後の四陣は旗本でもあろうか、整斉として
屯
(
たむ
)
ろした様子はまことに堂々たる兵法と云うべく、到底山賊野武士などの陣備えとは思われない。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
往来の前後に黒々と、数百の人数が
屯
(
たむ
)
ろしていた。隅田川には人を乗せた、無数の小舟が浮かんでいた。露路という露路、小路という小路、ビッシリ人で一杯であった。捕り方の人数に相違なかった。
銅銭会事変
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
屯
常用漢字
中学
部首:⼬
4画
“屯”を含む語句
屯所
屯食
屯田兵
屯倉
駐屯軍
内屯倉
一屯
日屯
駐屯
屯営
屯々
屯集
屯田
李家屯
鄭家屯
新民屯
御屯倉
日本駐屯軍
幾屯
舟屯
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