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屈托
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くつたく
ふりがな文庫
“
屈托
(
くつたく
)” の例文
よく/\の事でせう、錢形平次は額に煙草を吸はせて、初秋のケチな庭を眺めるでもなく、ひどく
屈托
(
くつたく
)
して居るのです。
銭形平次捕物控:186 御宰籠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
上部
(
うはべ
)
から
見
(
み
)
ると、
夫婦
(
ふうふ
)
ともさう
物
(
もの
)
に
屈托
(
くつたく
)
する
氣色
(
けしき
)
はなかつた。それは
彼等
(
かれら
)
が
小六
(
ころく
)
の
事
(
こと
)
に
關
(
くわん
)
して
取
(
と
)
つた
態度
(
たいど
)
に
就
(
つい
)
て
見
(
み
)
ても
略
(
ほゞ
)
想像
(
さうざう
)
がつく。
流石
(
さすが
)
女丈
(
をんなだけ
)
に
御米
(
およね
)
は一二
度
(
ど
)
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
... 江戸あたりの
埃
(
ほこり
)
の中には、お前の気に
協
(
かな
)
つたものは有るまいが、ト云つて山の中にも無しの、ほんに困つて
仕舞
(
しま
)
うたよ」と首傾けて
屈托
(
くつたく
)
の
態
(
さま
)
なりしが「ほう」と一つ
己
(
おのれ
)
が
膝
(
ひざ
)
叩
(
たゝ
)
きつ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
陰鬱
(
いんうつ
)
!
屈托
(
くつたく
)
!
寂寥
(
せきれう
)
! そして
僕
(
ぼく
)
の
眼
(
め
)
には
何處
(
どこ
)
かに
悲慘
(
ひさん
)
の
影
(
かげ
)
さへも
見
(
み
)
えるのである。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
屈托
(
くつたく
)
のない笑顔して
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
▼ もっと見る
それは、權力と因習に押し付けられてゐる、日頃の
屈托
(
くつたく
)
に對する、僅かな息拔きでもあり、若い娘達を集めての、戀の狩人達の冒險でもありました。
銭形平次捕物控:315 毒矢
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
屈托
(
くつたく
)
を知らない男の氣樂さうな後姿が、兎もすれば神經質になる平次を、どんなに力づけてくれるかわかりません。
銭形平次捕物控:043 和蘭カルタ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
暫く經つて、平次は顏を擧げました、何んとなく
屈托
(
くつたく
)
した調子です。
銭形平次捕物控:305 美しき獲物
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お舟は
屈托
(
くつたく
)
のない樣子で迎へました。
銭形平次捕物控:097 許婚の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
屈
常用漢字
中学
部首:⼫
8画
托
漢検準1級
部首:⼿
6画
“屈托”で始まる語句
屈托気
屈托顔