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居睡
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ゐねむり
ふりがな文庫
“
居睡
(
ゐねむり
)” の例文
楯彦氏はそこらの明いてゐた椅子に腰を下して美しい花嫁の笑顔など幻に描いてゐるうち、
四辺
(
あたり
)
の
温気
(
うんき
)
でついうと/\と
居睡
(
ゐねむり
)
を始めた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
良寛は馬鹿者のやうに見えてゐて、なかなか心が
寛
(
ひろ
)
い。少しもこせつかないで、運命のままに身をまかせてゐる。いつどんなところででも、
居睡
(
ゐねむり
)
を
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
十時頃になると、車中の人は大抵こくり/\と
居睡
(
ゐねむり
)
を始めた。忠太は思ふ樣腹を前に出して、グッと
背後
(
うしろ
)
に
凭
(
もた
)
れながら、口を開けて、
時々鼾
(
いびき
)
をかいてゐる。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
先刻
(
さつき
)
から大分酩酊して、
居睡
(
ゐねむり
)
をしさうになつて居た汚ならしいぢいさんが、いきなり横あひから聲をかけた。
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
と言つて、こくり/\
居睡
(
ゐねむり
)
でもしてゐたか判らない。さう言つたからとて、何も腹を立てるには及ばない。人生はそんなものなのだから。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
唖のお政は私より
二歳
(
ふたつ
)
年長
(
としうへ
)
、三番目一人を除いては皆女で、末ツ児は
猶
(
まだ
)
乳
(
ち
)
を飲んでゐた。乳飲児を抱へて、大きい乳房を二つとも
披
(
はだ
)
けて、叔母が
居睡
(
ゐねむり
)
してる態を、私はよく見たものである。
刑余の叔父
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
果してこくりこくり
居睡
(
ゐねむり
)
を始めたのをよび覺まして
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
居心地のいゝ会社の椅子に暫くモーニングの
背
(
せな
)
を
凭
(
もた
)
らせて、こくり/\お
定
(
きま
)
りの
居睡
(
ゐねむり
)
をすると、増田氏は大きな
欠伸
(
あくび
)
をしい/\のつそりと立ち上る。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
居睡
(
ゐねむり
)
を初める隣の女。
心の姿の研究
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
何事も思ひ思ひの世の中、その冒険小説を読みさしてこくり/\
居睡
(
ゐねむり
)
をしてゐたところで、少しも悪くはない。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
敏捷
(
すばしこ
)
い広業は画絹が取出されたのを見ると、いつの間にか
厠
(
かはや
)
に滑り込んで、その
儘
(
まゝ
)
そこで
居睡
(
ゐねむり
)
をしてゐたのだ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
利藻氏と豆千代とは、画がよく解るやうに、時々感心したやうに
頷
(
うなづ
)
いたり、小首を
傾
(
かし
)
げたりしてゐたが、なかで三毛猫は一番正直だつた。画が始まると、
背
(
せな
)
を円くして
直
(
ぢき
)
に
居睡
(
ゐねむり
)
をし出した。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
居
常用漢字
小5
部首:⼫
8画
睡
常用漢字
中学
部首:⽬
13画
“居”で始まる語句
居
居候
居所
居士
居間
居室
居眠
居合
居堪
居処