將監しやうげん)” の例文
新字:将監
明日はいよ/\主人將監が歸るといふ日、錢形平次は到頭青いお神籤みくじの曲者——實は久野將監しやうげんの家來進藤勝之助を本所相生あひおひ町の隱れ家に突きとめてしまひました。
奉つりて御養育ごやういくを申上んといふにぞ將監しやうげん道理もつともなりと同心し早速さつそく御前へ出てさいが申せしおもむきを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
翌る日は奧方浪乃、屋敷に歸つて良人久野將監しやうげんを迎へ、事件の顛末てんまつを、人を傷けない程度に報告しました。めかけのお新が、そのまゝ行方不知になつたことは言ふ迄もありません。
以てやしなひくれよ成長せいちやうの後其方に男子なんし出産しゆつさんせば予が方へかへもしまた男子なくばその方の家名かめい相續さうぞくいたさすべしとおほせありければ將監しやうげんつゝしんでかたじけなくも御本腹ごほんぷくの若君を御厄年おやくどしの御子なりとて某に御養育ごやういく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「誰が驚くものか。——二千五百石の大旗本、駒形にお屋敷を持つて今長崎奉行をしていらつしやる、久野將監しやうげん樣の家來、先頃殺された用人進藤市太郎の伜勝之助といふ男だらう」
すゝみ申樣天一坊樣御身分の儀は只今たゞいまの書付にてくはしく御承知ならんが御腹の儀御不審ふしんもつともに存候されば拙者より委細ゐさい申上べしそもたう將軍樣紀州きしう和歌山わかやま加納將監方かなふしやうげんかたに御部屋住にて渡らせ給ふせつ將監しやうげんさい召使めしつか腰元こしもとさはと申婦女ふぢよ上樣うへさま御情おんなさけかけさせられ御胤を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)