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宵々
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よいよい
ふりがな文庫
“
宵々
(
よいよい
)” の例文
さすがに、
秋
(
あき
)
になると、
宵々
(
よいよい
)
に、
荒海
(
あらうみ
)
に
打
(
う
)
ち
寄
(
よ
)
せる
波
(
なみ
)
の
音
(
おと
)
が、いくつかの
村々
(
むらむら
)
を
過
(
す
)
ぎ、
野
(
の
)
を
越
(
こ
)
えて、
遠
(
とお
)
くまできこえてくるのであります。
二番めの娘
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
彼の頭にはおそらくこの「
夕飯
(
ゆうめし
)
のかますご」が
膠着
(
こうちゃく
)
していてそれから六句目の自分の当番になって「
宵々
(
よいよい
)
」の「あつ
風呂
(
ぶろ
)
」が出現した感がある。
連句雑俎
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
八月ももう末の夜で、
宵々
(
よいよい
)
ごとに薄れてゆく
天
(
あま
)
の河の影が高く空に
淡
(
あわ
)
く流れていた。すすり泣きをするような溝川の音にまじって、
蛙
(
かわず
)
は寂しく鳴きつづけていた。
鳥辺山心中
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
むろん旧暦ですから今の九月ですが、
宵々
(
よいよい
)
ごとにそろそろと虫が鳴きだして、一年十二カ月を通じ、この月ぐらい人の世が心細く、天地
蕭条
(
しょうじょう
)
として死にたくなる月というものはない。
右門捕物帖:24 のろいのわら人形
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
宵々
(
よいよい
)
に見る星の光が夜ごとに深くなって来た。
梧桐
(
あおぎり
)
の葉の朝夕風に揺ぐのが、肌に
応
(
こた
)
えるように眼をひやひやと
揺振
(
ゆすぶ
)
った。自分は秋に入ると生れ変ったように愉快な気分を時々感じ得た。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
古い家の沈静ななかで過ごす
宵々
(
よいよい
)
の楽しさ。
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
そうして、毎年正月十五日から五日のあいだは、明州府の城内に
元宵
(
げんしょう
)
の燈籠をかけつらねて、諸人に見物を許すことにしていたので、その
宵々
(
よいよい
)
の賑わいはひと通りでありませんでした。
中国怪奇小説集:14 剪灯新話(明)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
宵
常用漢字
中学
部首:⼧
10画
々
3画
“宵”で始まる語句
宵
宵闇
宵暗
宵月
宵宮
宵寝
宵越
宵祭
宵啼
宵子