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姉上
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あねうへ
「お
姉上。」——いや、
二十幾年ぶりかで、
近頃も
逢つたが、
夫人は
矢張り、
年上のやうな
心持がするとか
言ふ。
御内端すぎてのお
物思ひくよ/\
斗り
遊ばせばこそ
昨日今日は
御顏色もわるし
御病ひでも
遊ばしたら
御兩親さまは
更なる
事なり
申すも
慮外ながら
妹と
思ぞとての御
慈愛に
身は
姉上を
「
第一、
二人とも
割前が
怪しいんです。」とその
時いふと、お
姉上も
若かつた。