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天誅
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てんちゅう
ふりがな文庫
“
天誅
(
てんちゅう
)” の例文
「武人の護りとは、こういう正々堂々の剣をいうのだ。この護りは、以て、卑劣なる汝ら害獣を
天誅
(
てんちゅう
)
するために
研
(
と
)
がれている。さ、斬れ味をみろ」
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
天誅
(
てんちゅう
)
」の文字が江戸の市中にも
流行
(
はや
)
り出して来て、市民を
戦慄
(
せんりつ
)
させたのはそれから幾らもたたない時でありました。
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
天誅
(
てんちゅう
)
だという言葉につづいて、わっというような声と、地を
蹴
(
け
)
る人の足音とが、深夜の空気をぶきみに震動させた。
新潮記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
政府の権を犯して
恣
(
ほしいまま
)
に人を殺し、これを恥じざるのみならずかえって得意の色をなし、みずから
天誅
(
てんちゅう
)
を行なうと唱うれば、人またこれを称して報国の士と言う者あり。
学問のすすめ
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
幹部の目を盗んで民家を
掠奪
(
りゃくだつ
)
した一人の
土佐
(
とさ
)
の浪人のあることが発見され、この落合宿からそう遠くない三五沢まで仲間同志で追跡して、とうとうその男を
天誅
(
てんちゅう
)
に処した
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
「——諸兄よ。
恒藤権右衛門
(
つねとうごんえもん
)
はみごとわれら
天誅
(
てんちゅう
)
を加えたれば、意を安んじて可なり——卍」
右門捕物帖:08 卍のいれずみ
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「菊水の旗、
天誅
(
てんちゅう
)
これ揚がり、桜井の書
世綱
(
せいこう
)
以て
光
(
ひか
)
る」と悲歌したる当時の
心事
(
しんじ
)
を。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
品川
御殿山
(
ごてんやま
)
英国公使館の焼打、廃帝故事を調査したといわれた
塙
(
はなわ
)
次郎の暗殺、京都ではもうひとつあくどくなって、「
天誅
(
てんちゅう
)
」の犠牲の首や耳や手やを書状に添えて政敵のもとへ贈り届ける。
新撰組
(新字新仮名)
/
服部之総
(著)
それがしの面目はもとより武蔵殿も名誉、共に思うさま百右衛門をののしり、信義の
一太刀
(
ひとたち
)
覚えたか、とまっこうみじんに
天誅
(
てんちゅう
)
を加え、この胸のうらみをからりと晴らす事が出来るものを
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
また、否とあれば、
天誅
(
てんちゅう
)
たちまち蜀を
懲
(
ちょう
)
し、蜀の一兵たりと、生きて国には帰すまいぞ。その罪みな汝の名に受くるものである。孔明、心をしずめてこれに答えよ
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
水戸
(
みと
)
浪士の時のことを考えて見たまえ。幹部の目を盗んで民家を
掠奪
(
りゃくだつ
)
した土佐の浪人があると言うんで、三五沢で
天誅
(
てんちゅう
)
さ。軍規のやかましい水戸浪士ですら、それですよ。」
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
いかにしても裏切り者のてまえに
天誅
(
てんちゅう
)
を加えねばと、一度長崎表でご用弁となったにかかわらず、仲間のうちの四人が決死隊となって
破牢
(
はろう
)
を企て、どこでどうかぎつけたものか
右門捕物帖:08 卍のいれずみ
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
甲府へはまだ流行って来ねえけれども、江戸でも
天誅
(
てんちゅう
)
というやつが流行り出してるのだ。
大菩薩峠:12 伯耆の安綱の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
領主のご威光を怖れぬ汝等一族の悪業は天人ともにゆるさぬところなれば、以後改心致して
上
(
かみ
)
の命に従えばよし、さもなきに於いてはかく申す
某
(
それがし
)
が
天誅
(
てんちゅう
)
を加えるから覚悟を致せよ
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
親戚の者も
天誅
(
てんちゅう
)
を怖れて近寄るものがありませんでしたから、町内で保管し、一時は宇治山田の米友が、その番人に頼まれて、槍を
揮
(
ふる
)
って怪しい浪人を追ったことなどもありました。
大菩薩峠:16 道庵と鯔八の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
お
暇
(
いとま
)
をいただきます、御免こうむりますと言い出せばそのたびに
天誅
(
てんちゅう
)
、天誅ですで。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
だから、そいつがまず第一の不審さ。第二の不審は、この立て札の文句だよ。念のために、もういっぺんおめえも読み直してみるといいが、諸君よ、恒藤権右衛門はみごとわれら
天誅
(
てんちゅう
)
を
右門捕物帖:08 卍のいれずみ
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
もし遅緩に及び候わば旬日を
出
(
い
)
でずして、ことごとく
天誅
(
てんちゅう
)
を加うべきものなり。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「大丈夫だよ、何しろ公方様の御威勢はもう地に落ちたんだから、とてもおさまりはつかねえのだ、ああやって貧窮組が出来たり、浪人強盗が
流行
(
はや
)
ったり、
天誅
(
てんちゅう
)
が持ち上ったりしている世の中だ」
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「こころよく
天誅
(
てんちゅう
)
をうけろ」
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
天誅
(
てんちゅう
)
うけいッ」
旗本退屈男:04 第四話 京へ上った退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
生捕れ! 一人も逃がさず、国賊に
天誅
(
てんちゅう
)
を加えろ!
大菩薩峠:32 弁信の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「
天誅
(
てんちゅう
)
覚えおったか!」
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
天誅
(
てんちゅう
)
はかくの如し。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“天誅”の意味
《名詞》
罪に対し天が下す罰。天罰。
また、天に代わって罪を罰すること。
(出典:Wiktionary)
天
常用漢字
小1
部首:⼤
4画
誅
漢検1級
部首:⾔
13画
“天誅”で始まる語句
天誅組