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大津絵
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おおつえ
ふりがな文庫
“
大津絵
(
おおつえ
)” の例文
旧字:
大津繪
ときに叔父上、あなたもめっきりお年をとりましたな、そうしてションボリと文机のまえに坐っているところなんざ、まさに
大津絵
(
おおつえ
)
の鬼の念仏。
顎十郎捕物帳:12 咸臨丸受取
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
丁度
大津絵
(
おおつえ
)
とか
泥絵
(
どろえ
)
とかいうものの如く、即ちゲテモノとしての面白味であって、偶然、非常に面白いものがあり、また非常に下等なものがあるのです
楢重雑筆
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
針屋、そろばん屋、
陶器
(
すえもの
)
屋、その隣には鬼の念仏の絵看板、
鉦
(
かね
)
と
撞木
(
しゅもく
)
をもって町の守り神のように立っている
門
(
かど
)
は、
大津絵
(
おおつえ
)
をひさぐ
室井半斎
(
むろいはんさい
)
の店である。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
氏は国民の団結を造りて、これが総代となり、時の政府に国会開設の請願をなし、諸県に先だちて民衆の迷夢を破らんとはなしぬ。当時母上の
戯
(
たわむ
)
れに物せし
大津絵
(
おおつえ
)
ぶしあり。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
板額
(
はんがく
)
は門破り、荒木又右衛門は関所を破る、常磐御前とここの城主はわが子のために、大事な操と
陰嚢
(
ふんぐり
)
破ると、
大津絵
(
おおつえ
)
どころか痛い目をしてわれとわが手で両丸くり抜いた。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
▼ もっと見る
椿岳のいわゆる浅草絵というは淡島堂のお堂守をしていた頃の
徒然
(
つれづれ
)
のすさびで、
大津絵
(
おおつえ
)
風の泥画である。多分又平の風流に倣ったのであろう。十二枚袋入がたった一朱であった。
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
例えば
金地襖
(
きんじぶすま
)
の彩画は貴族的な絵ですが、
大津絵
(
おおつえ
)
の如きは「民画」とも呼ぶべくいわば民間の画です。民家、民器、民画、私はそれ等のものを総称して「民藝」と呼ぼうと思います。
民芸とは何か
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
都々逸
(
どゞいつ
)
、
三下
(
さんさが
)
り、
大津絵
(
おおつえ
)
などを、
粋
(
いき
)
な節廻しで歌われると、子供ながらも体内に漠然と潜んで居る放蕩の血が湧き上って、人生の楽しさ、歓ばしさを暗示されたような気になります。
幇間
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
そうそう際限も無く空想は展開するはずがない。やがては
大津絵
(
おおつえ
)
のごとく人間の姿態を写し出そうとする者に、その練熟した自在の手法を譲って、消えてしまったのもまた自然である。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
浮世絵木板摺の技術は
大津絵
(
おおつえ
)
の板刻に始まり、
菱川師宣
(
ひしかわもろのぶ
)
の板画
及
(
および
)
書籍
挿画
(
さしえ
)
に因りて漸次に熟練し、鳥居派初期の役者絵
出
(
いづ
)
るに及びて
益〻
(
ますます
)
民間の需要に応じ江戸演劇と
相並
(
あいならび
)
て進歩発達せるなり。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
※
大津絵
(
おおつえ
)
。弁慶。丈二尺一寸、巾七寸五分。紙。筆者蔵(現在、日本民藝館蔵)。
工芸の道
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
椿岳は
芳崖
(
ほうがい
)
や
雅邦
(
がほう
)
と争うほどな巨腕ではなかったが、世間を茶にして
描
(
か
)
き
擲
(
なぐ
)
った
大津絵
(
おおつえ
)
風の得意の泥画は「
俺
(
おれ
)
の画は死ねば値が出る」と生前豪語していた通りに十四、五年来著るしく随喜者を増し
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
万年青流行のことは当時の俗謡
大津絵
(
おおつえ
)
にも
唱
(
うた
)
われている。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
民画の美を代表する
大津絵
(
おおつえ
)
を見られよ(本書「挿絵について」挿絵第二十三図)。その
淀
(
よど
)
みなき筆の走りと、
活々
(
いきいき
)
した生命とは、いかに多くいかに早くいかに単純に
画
(
えが
)
いたかを語るではないか。
工芸の道
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
“大津絵”の解説
大津絵(おおつ-え)とは、滋賀県大津市で江戸時代初期から名産としてきた民俗絵画で、さまざまな画題を扱っており、東海道を旅する旅人たちの間の土産物・護符として知られていた。
大津絵の画題を唄い込んだ元唄・音曲・俗曲(大津絵節)、大津絵節を元に踊る日本舞踊の一種(大津絵踊り)にも、「大津絵」の名がついている。
(出典:Wikipedia)
大
常用漢字
小1
部首:⼤
3画
津
常用漢字
中学
部首:⽔
9画
絵
常用漢字
小2
部首:⽷
12画
“大津絵”で始まる語句
大津絵師
大津絵節