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大地主
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おほぢぬし
アンドレイ、エヒミチは
今初めて
氣が
着いたが、ミハイル、アウエリヤヌヰチは
前に
大地主で
有つた
時の、
餘り
感心せぬ
風計りが
今も
殘つてゐると
云ふことを。
其上に
腹を
立つと
直ぐに、
此の
野郎、
此の
大馬鹿と
惡體が
初まるので、
是等は
大地主の
癖であるが、
餘り
感心した
風では
無い、とドクトルも
思ふたのであつた。
ミハイル、アウエリヤヌヰチは
元は
富んでゐた
大地主、
騎兵隊に
屬してゐた
者、
然るに
漸々身代を
耗つて
了つて、
貧乏し、
老年に
成つてから、
遂に
此の
郵便局に
入つたので。