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夜眼
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よめ
ふりがな文庫
“
夜眼
(
よめ
)” の例文
夜眼
(
よめ
)
にも
仄
(
ほの
)
白い雪の街路を転がり廻っているこの紅蓮の焔の周囲を遠巻きにして、黒い人影は右往左往にただ混乱し切っていた。
生不動
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
それはたゞ四つの道が
出會
(
であ
)
つた辻に立つてゐる石の柱に過ぎなかつた。その柱は、遠方からまた
夜眼
(
よめ
)
に、もつとはつきりさせる爲めだらう、白く塗られてあつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
夜眼
(
よめ
)
にも匂うような若い女の熱い顔は、実際、しきりに香気を夜気のなかにほとばらしているのだ。
野に臥す者
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
松の針のさきに一つ一つ水玉がついているのが、戸の洩れ灯をうけて
夜眼
(
よめ
)
にもいちじるしい。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
十八度位のがぶりで
硝子窓
(
ボウルト
)
に浪の
飛沫
(
しぶき
)
が
夜眼
(
よめ
)
にも白く砕けて見えた。低い機関の廻転が子守唄のように彼の耳に通った。為吉の坂本新太郎は暫らくしてすやすやと
鼾
(
いびき
)
を掻き始めた。
上海された男
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
▼ もっと見る
軈
(
やが
)
て、さんざ番犬共に咆えつかれた揚句、
夜眼
(
よめ
)
にも
瀟洒
(
しょうしゃ
)
な文化住宅と、外燈の描くぼんやりした輪の中に「木島」の表札を発見した時は、もうその無意味な仕事の為に、心身ともに
腐った蜉蝣
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
芹沢の
屍骸
(
しがい
)
の上には、
夜眼
(
よめ
)
にも白くお梅の
身
(
からだ
)
が共に冷たくなって折り重なっている。
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
月に向かって夢見るような大輪の白い
木蘭
(
もくらん
)
の花は小山田邸の塀越しに咲き下を通る人へ匂いをおくり、
夜眼
(
よめ
)
にも黄色い
連翹
(
れんぎょう
)
の花や雪のように白い梨の花は
諸角
(
もろずみ
)
邸の
築地
(
ついじ
)
の周囲を
靄
(
もや
)
のように
暈
(
ぼか
)
している。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
蒸しむしと
夜眼
(
よめ
)
に
撲
(
う
)
ち来る土ほこりトラックとどろき兵
発
(
た
)
ちはじむ
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
夜
常用漢字
小2
部首:⼣
8画
眼
常用漢字
小5
部首:⽬
11画
“夜”で始まる語句
夜
夜半
夜更
夜中
夜叉
夜具
夜鷹
夜寒
夜明
夜業