夏帽子なつばうし)” の例文
うしたことか、今年ことし夏帽子なつばうし格安かくやすだつたから、麥稈むぎわらだけはあたらしいのをとゝのへたが、さつとつたら、さそくにふところへねぢまうし、かぜられてはことだと……ちよつと意氣いきにはかぶれない。
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
さわやかな夏帽子なつばうし麦稈むぎわら
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
影法師かげぼふしつゆれて——とき夏帽子なつばうし單衣ひとへそでも、うつとりとした姿なりで、俯向うつむいて、土手どてくさのすら/\と、おとゆられるやうな風情ふぜいながめながら、片側かたかはやま沿空屋あきやまへさみしく歩行あるいた。
月夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)